2025 釣乃記
第拾捌話  蟻と雨とヤマメの引き
やばいやばい、ティペットをチェックして良かった。
アントを結び直し、改めて流れ出しの筋へキャスト。流れの真ん中にポトンと落ちたアントにヌッと魚体が覆い被さった。
「!」合わすとぐぅ〜んっとロッドが曲がった。出方、手応え、これはでかい!
僕は昂る気持ちを抑えてヤマメを寄せた。う〜む、サイズはそれほどでもないな。引きは強いのに。
リリースしたヤマメを見送っていると、その水面に雨の波紋がポツポツと落ち始めた。




   戻る 釣りTop 次へ
この夏の猛暑のせいか、家の中のキッチンへの蟻の侵入を許してしまった。プチ蟻の行列状態ですぐに蟻退治の製品を買ってきて設置したが、割としぶとく姿を見なくなるまでに数日を要した。でも何もなければ例え蟻の斥候が入ってきてもスルーするだろうから、結局は食べ物カスがあってそれで仲間を呼んでやってくるはず。掃除が足りんってことなのだ(>▽<;)
そのこととこの日アントを使っていることは関係はあるようなないような。でもこの季節の蟻の存在感とヤマメの食性の中の蟻の重要性を
身をもって(!?)再認識した。

予報ではこの日は夜から降り出し、数日間はかなりの雨量になる見込みだという。少し前に一度降ったが短時間でやんだので、川の水位も増水までにはならず、渇水の渓がようやく平水になった程度だった。
これから降る雨が被害をもたらさないよう祈るばかりだが、川の方は今度こそ増水は間違いない。やんだ後の水の引き始めをタイミング良く狙って釣りに行けるかがこの夏の渓流の釣りの山場になりそうだ。
暑くないことが全く自然に感じられる。もう猛暑日には戻れん (^^;)
ポツリと雨が落ちてきた。このまま本降りになるのだろうか。スマホは圏外だからレーダーは見れない。予報だと雨は夜から降り始めるはずだった。
想定はしていたが川の増水はしていなかった。その代わりにカラカラの渇水でもなく、リフレッシュされた流れになっているはず。
きっとヤマメは神経質になっているだろう。僕は勝手にそう思い込み、でもそれはたぶん当たっている。
アントのフライを投げて流すが、反応はないまま上流へ向かった。
川から上がると、ちょっとだけ気温も上がってました。
出方だけは大物の貫禄。将来有望です(*^^*)
この区間の中でも有望ポイントの小プールに着いた。慎重にキャストするが反応がない。
岸際の木の枝が張り出しているその下に投げ込むと、バシャっと派手にしぶきを上げて出た。
合わすと激しくあらがっている。(これは良い型だ)僕はバレるなよと祈りながら寄せた。ネットですくう直前に見えた魚体は引きとはずいぶんギャップがあるかわいいサイズだった。
ボウズになるかもと思っていたので、釣れて安心した。でも物足りない。まだ釣りたい。
枝豆入り日清焼きそば。うま〜(*^^*)
#15のアントパラシュート。危うい感じで浮くのがいいようです。
水中でギラリと光って合わした一匹。 
少し前に釣友のKK君が「ヤマメが釣れるうちはできるだけ釣りたい」と言っていた。
それもあって、この日は増水が期待できなくても渓流に向かった。そしてこのポイントに着く途中、KK君の車を見た。やっぱり彼も来ているな。

小さな落ち込みから手前に向かって流れ出す王道ポイント。場所としては王道だがここで釣れた試しがない。
結びっぱなしのアントを引っ張るとプツッとティペットが切れた。
増水はそうでもないと思っていたから、この日は別の場所をやろうと思っていた。ところが、その場所には先行者がいた。それは残念だったが、そこに入るとは場所をよく知っている釣り師だ。フライマンだったし。
それで釣り場に迷い、結局前回ヤマメを釣った同じ川の区間に向かった。遅れた分、そこも誰か入っているかもしれなかった。
着くと車はなく運よく誰も入っていない。気温は21度で、町でずっと続いている猛暑日もここでは別の世界の話のようだ。
派手な出方で大物だとネットですくったら、そうでもない(>▽<;)