F.F.雑感
其ノ六百四十二  キノコがまだ遠い  
本命は出てなかったが、キノコ自体は色々賑やかに生えていた。

帰ってからチチタケを豚と野菜と一緒に炒め、ビールで。旨みが具材に広がり、なかなかいい。
ボソボソ食感は図鑑にあった通りで、食べれなくはないが出汁が全てのキノコのようだ。
TさんもTSさんも炒め物や炊き込みご飯にしていて、旨みを逃さないメニューにしていた。
汁物が出汁を生かせそうだが、まだ暑さが残る時期だから今回はやめておいた。
二週間前、Tさんたちは月曜日の祭日にキノコ採りに行っている。僕は仕事で行けなかったが、Tさんたちの投稿で見てみるとどうもよくなかったらしい。季節の進み具合が遅く気温も高いので山を歩いていても汗ばむほど。緑濃い山はまだ夏の景色で秋っぽさはないようだ。
それからあと雨が降ってこの週末、しかも去年の今頃はコウタケがかなり取れた時期なので、いやが上にも期待は高まる。でも山に入ってその期待は雲行きが怪しくなってきた。まだ紅葉している木は見える範囲では一本もない。葉が枝についているから見通しが悪い。そして暑い。「緑の濃さは前回とあまり変わっていない」とTSさん。十月に入ったのにまだそんな感じだった。
斜面を上がり、そして下り、結局僕はキノコを見つけることはできなかった。TさんもTSさんも食べれるキノコはほとんど見つけられなかったが、よくわからないキノコは見たという。僕はそれさえ見つけられていない。
「チヌを見つける目からキノコを見つける目にまだ変わってないんじゃないですか?」とTさんが笑いながら言う。その通りだ。
初のチチタケ。そして、とりあえず今年の初収穫です。
翌日の昼はチチタケスパゲッティ。旨みが全体に広がってうまい(^^;)
場所を変えて去年TさんとTSさんが見つけた新たな山に向かった。そこは林床がいい感じで期待の持てる斜面だという。
Tさんがチチタケを見つけた。かなり固まって生えている。僕もなんとか見つけられて、採ってみた。名前の通り、採ったらミルクのような液がひだから出てくる。
食感はボソボソだがコクのある出汁が出ると図鑑に載っていた。
他にもドクベニタケや名前のわからない白い大型もあった。
三箇所目でも食べられるものや時期がすぎた労菌などがあった。
青々とした山道沿いの木々。まるで夏の風景だ(^^;)
ドクベニタケ。一目瞭然。
キノコへの愛の深さが姿勢の深さを呼ぶ(>▽<;)。
こやつが食べられるかどうか、微妙でした(^^;)。 
週の中頃に雨が降った。待望の雨で、これで一気にキノコが生え始めるのだと僕たちはみんな思っていた。
週末、キノコ仲間(チヌと共通なので顔ぶれは一緒(^^;))でメッセージをやりとりし、土曜日のキノコ採りが決まった。
向かった先は去年コウタケを採った山で、僕もTさんんもTSさんも採る気満々で山に入った。
すぐに気づいたのは緑の濃さで、木々も青々としているし、地面も地肌が去年よりは葉で隠れている。
今年3年目のキノコ採りだが、釣りのような単独行がなくだいぶ趣が違う。
キノコの見つけ方・見分け方など知識面も必要だが、採った後どう食べるかなどの情報共有もあり、そうすると一緒に採りに行く仲間との食の嗜好が合っているから成り立っているとも言える。これも偶然というか、縁だな。

今回は自力の収穫が今ひとつだったので、次のキノコ採りではキノコを見つける目をもっと高めて行かないといけないな。