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F.F.雑感
其ノ六百三十七 処暑のフラットを駆ける
引き波が見えた。チヌが入ってき始めたのだ。こちらに向かってくる引き波の手前にキャスト。波の方向が変わった。散らしたか。
少し待つとまた入ってきた。今度は魚影が見える。その手前にキャスト。すぐにリトリーブすると先頭のやつがついてくる。さらにリトリーブ、ついてくる。 ククッとアタリが伝わる。少し待つ。さらにククッ。合わすと一気に走り出した。 ブレイク迎え撃ちで食いつく一部始終が見えた。こういう反応がおもしろい。 週末が干潮が早朝と日没後なので、フラットの釣りがむつかしい。そこで木曜日に有休を取って行くことにした。それでも干潮が日没直前。満ち上がりの良い時間が徐々に暗くなる時間なので、微妙ではある。
当然のようにこの日も猛暑日の予報だが、週の初めの月曜日がずいぶん涼しかった。厚い雲に覆われ日差しが遮られたからのようだが、一気に秋がくるのかと思えば、翌日からまた猛暑日が続いた。 しかし一度涼しくなったのがきっかけなのか、フラットでよく会う人からチヌの反応が変わり良くなってきたとメッセージが届いた。それもあって、週末の潮がむつかしいなら有休を取ってでも行ってみようと思った。 ちょうど二十四節気の処暑の日だ。自分の中では勝手に期待が高まってきている。 日没後、暗くなるのが早い。秋が近いのか(^0^;)。
ラスト一投でヒット。心残りはありません(^^;)
ブレイクラインの手前、扇状地になっている場所で何度か釣れたことがある。
そこで明らかにボラでない魚影が見えた。上流側からフライを流し込む。魚影の辺りは通り過ぎた。もう一度と思った瞬間、ラインが一気に引き込まれた。合わすと掛かった。 干潮が近づいた。僕はブレイクラインまでくだって、満ち上がりとともにやってくるチヌを迎え撃つことにした。 波があるし日が傾き始めて、水の中が見えにくい。 日が傾き始めての1匹。やはり激しいアタックで。
水面が派手に弾けた。チヌのライズ!? 見たことはない。
キャストしリトリーブ、黒い影がついてくる。急に挙動が変わりフライに食いついたと思い合わす。空振り。もう一度キャスト、また影が激しく追ってきた。手元にゴソっという感触がし、合わすと掛かった。なんというやる気だ。ただサイズは控えめだった。 そのすぐあと、太く重い引き。ボラの暴力的なファイトとは少し違う。マゴチだった。 小さめチヌにマゴチ、活性は高いのではないかと思えた。
キールフライ用のノット、研究中です。
ブレイクから上がってきたやる気ありのチヌさん。
この日も夏雲がこれでもかと沸いてます(^^;)。
ボラの姿が目立った。その中にひときわ黒いのはやはりチヌだったが、数が少ない。
先ほどのやる気満々のチヌはかなりレアだ。あのあとそんな反応を示すやつはいない。甘噛みもなく下げ潮の良い時間はもう終わってしまったのか? ボトルの水の補給と休憩をとるために一度車に戻った。 ずっと強めの風が吹いている。波立って魚影が見えづらくキャスティングがやりにくいが、猛暑の暑さは和らいでいる。 日が山の陰に沈んだ。みるみる辺りが薄暗くなってきた。
上流方向へ戻りながら、扇状地で1匹追加した。もう魚影は見えないので、引き波が頼りだ。 チヌの気配はあるのだが、なかなか食わない。だいぶ光量が減ってきている。僕はそろそろ終わろうという気になっていた。 護岸の際、潮が入ってきている。上がる前にもう一投だけ、と投げて引くとなんと掛かった。 日中の暑さはもうなく、日暮れとともに気温も下がってきた。僕は心置きなく処暑のフラットを後にした。
60cm近いマゴっつぁん。やっぱり顔が平べったい(>▽<;)
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