F.F.雑感
其ノ六百六十九  フラット、朝な夕なに
自然の生き物相手だからこちらの思うのと違うのはわかる。しかし過去の良い思いに囚われてしまうのも釣り人の性だ。
しつこく流していたら、ゴソゴソっというアタリ。ついにきた!
合わすと重量がロッドに乗った。いきなり強く引き込まれ走り出した。流れの強さがあるがそれを差し引いてもかなり強い引き。良さそうな型だ。
何度かラインが引き出され、ようやくキャッチ。綺麗な魚体のチヌだった。時刻はまだ7時前、干潮まで1時間ある。
朝8時干潮のこの日、僕は4時半起きでフラットに向かった。まるで渓流に釣りに行くような起床時間だ。
だいたいにこの時期の潮は午後の干潮が多いが、小潮でこういう潮回りになった。小潮とは言え一週間前の雨の名残での速い流れが河口に向かっている。ブレイクまで潮が落ちないから、途中の流れの筋に魚が残っている。そしてこの魚影の列。
僕は連続ヒットはもらったと意気揚々と列に向かって上流からフライをキャストした。しかし、フライは通過するだけでゴソゴソっという吸い込みアタリはない。当然もう一度キャスト。スィングスピードが速くなり過ぎないように緩い角度で投げラインも送り込みながら列に沿わすように流す。・・・アタリがない。
連続ヒットの時と同じに見えるのに、何が違うのか。この列のチヌたちは捕食モードになっていないとしか考えられない。
カンヌキにがっしり掛かっています。
引きの強かったチヌさん。魚体も綺麗です(*^^*)
流れの筋の魚影の列の数釣り神話は崩壊だと思うしかない。
僕は移動しようとラインを手繰った。すると動かない。(!?)
なんと掛かっている。これは釣ったことにならんな。でも引きは強くキャッチするのに手こずった。
時間は刻々と過ぎ、暑さは強くなる一方。更に二匹釣れてなんだか状況も釣果も前回と同じだ。

干潮を過ぎ満ち上がりつつあるフラットはとりとめもなく広く、そこから一匹のチヌを釣り上げようと、僕はフラットをさまよった。




      戻る F.F.Topへ 
さすがに朝は涼しいとまではいかなくても暑くない。
気温26度、水がひんやりしている。一週間前にまとまった雨が降りその影響が残っているのか、河口近くの流れが早い。
流れの筋に魚影は見えている。僕は上流側から魚影に向けて流し込むようにフライをキャストした。アタリはない。フライが通過するのが速すぎるのか。それともフライが強い流れで浮いてしまっているのか。
時間がたっぷりある訳ではない。僕は少しづつ焦り始めた。
障害物も何もない広大なフラット(^^;)
またしても、魚影の列から引きずり出したのは・・。
(シンクティップラインを持ってくれば良かった)と後悔した。車まで戻ればあるのだが、だいぶ離れてしまった。
せめて水流の抵抗を受けにくいようにと小さいサイズのフライに交換した。
きつい流れでは足元の砂が持っていかれて靴が埋まっていく。
河口にかなり近付いた。扇状地のように砂が堆積している場所。その脇に流れの筋があり、魚影が列を成していた。
以前連続ヒットになった時と同じ状況だ。
釣りのあとは例によってキンキンに冷やしたビールを(>▽<;)
何もないようで、わずかな流れの変化はあります(^o^;)
この週末は今年初のひやおろしを頂きました(*^^*) 
翌週、同じフラット。今度は大潮で15時干潮。
前回の釣りは朝から昼前までの5時間で三匹だった。なかなかに厳しかったが、この日もまだ水が落ち着いていないのなら、更に潮位の変化の大きい大潮は厄介だ。
11時、まだ潮位は高いが僕は釣りを開始した。魚影はあちこち見えているが、やはり反応しない。
今回も流れが速い。そして流れの筋に列を見つけた。前回の釣れない流れの列が頭を過ぎる。果たして今回のそれも前回同様いくら投げてもコツリともしなかった。
続けて釣れるかと思ったが、流れ筋の列はその一匹しか反応しなかった。たまたまやる気のあるチヌが混ざっていただけなのか。
干潮になり満ち上がり始め、日が高くなって暑さが襲いかかってきた。
一匹釣った後また釣れない時間が長く過ぎた。満ち上がりと一緒に僕も上流方向へ移動する。
河口からだいぶ上がった。石が並べて積んであるポイント。数匹固まっているのが見え、キャストしリトリーブすると、いきなり食いついてきた。
帰る間際のチヌさん。体高もあり引きは強烈!