F.F.雑感
其ノ六百七十  続く猛暑と虫の声
先週今年の渓流釣りが終わった。でも夏は終わらずまだ暑さの勢いは衰える気配がない。平気で猛暑日を記録している。
九月になったらフラットのチヌのラストスパートと言うのがここ数年のパターンだが、思えばチヌを始めて今年で7年目だ。
毎年猛暑猛暑と言っている夏。7年前は少しはマシだったんだろうか?
金曜日の夜、だいたいが秋の限定酒だったひやおろしを早々と入手し、アジの開きを焼きつつ、僕は少し気が抜けていた。
先週、かなりの悪条件だったがなんとかラストヤマメを手にできたので、それは良かった。でもサイズがもう少しあればなあと欲は出る。
猛暑の夏、七月は二回、八月は三回、渓流に行った。去年より多い。どれも早朝に出発し昼ぐらいまでの釣りだが、朝は涼しくても途中からは普通に暑くなった。厳しい釣りをよく頑張ったと我ながら思う。それが終わって、もう未明の高速を走って北部に向かうこともないと思うと、ちょっと寂しい気もする。
来年の渓流はどうだろうと想像すると、年々環境が悪くなる様子しか思い浮かばず、楽しみかと言えば強くそうは思えない。いやいや、自然が相手のことだから、人が頭で思うことなんて軽く裏切ってくれるだろう。そう思おう。
禁漁になって少しはゆっくりすればと思うが、九月最初の週末は大潮。やはりチヌに行ってみようか。これも毎年のことになったが、チヌの終わり方もヤマメ同様リスキーだ。釣って終わりたいがチヌは期間が決まっている訳ではない。しかし後になるほど釣りづらくなる。どこで終わりにするかがむつかしいところだ。

土曜日、フラットに着いて準備をしていると、この場所でよく会うフライの人がやってきた。
富久長 秋櫻 ひやおろしを、アジの開きを焼きつつ頂きます(^o^)
潮はみるみる満ちてきて、僕は上流方向へ移動した。途中にある石が並んでいるポイント。前もずっと釣れない時、最後にここで釣れたことがある。
キャスト、リトリーブ、ククっ!きた! 本当にきた。

帰って片付けてシャワーを浴びたら外はすっかり暗くなった。
僕は冷凍庫で冷やしたビールを喉に流し込んだ。
まだ日中の暑さは残っているが、網戸の向こうからは秋の虫の鳴き声が聞こえていた。
粘りに粘って可愛らしいサイズのチヌさん(>▽<;)
最初の喉越しが全て。ぐび〜! く〜!!(^0^;)。
焦りと暑さがのしかかってきた。一番気温の上がる時間帯でもある。魚影は見えるのに・・・。
数匹のチヌが固まっているのが見えた。同じ場所でしきりに動き回っている。こいつらはやる気がありそうだ。
キャストしスィングからのリトリーブ。一匹がフライを追った。
ラインが手繰れなくなり、これは食っている。ロッドを横にあおるとグッと重さが乗った。
(よしっ!) フッ、(あっ!)
外れた。この日初のアタリだったのに。
「だんだん渋くなってますねえ」と彼が言う。猛暑の影響がそうさせているのか、僕もここ何回かの釣行で同じ印象を持っていた。
僕たちはそれぞれフラットに降りて釣り始めた。大潮だから下げからなんとか釣っておきたい。
魚影は見えるが甘噛みひとつない。何度かフライを追う様子はあったが、食うまで行かなかった。
釣れないまま干潮になった。もう一人の人も釣れていないようだ。
確か去年の今頃も来てからずっと釣れず、最後の最後で釣れたっていうことがあった。
ソルトと渓流のタイイングで溢れるデスク。そろそろ整理するか(^^;)