市内の雨は北部では雪だった。
解禁から釣りに行く度に北部の雪は増えているような。
天気は朝からよく気温も上がる予報。雪代も増水も予想出来るが、これならハッチも期待できそうだ。
例によってインターを降りてすぐの産直市でパンと野菜と油揚げを買う。この日はパンはチーズフランスにした。
目的の川は今回が四回目、実は解禁になってから毎回きている。
しかし釣り人を見たのは解禁日だけだった。
今週もフタオカゲロウ系のニンフ。ハッチ準備完了?
水はやはり多かった。そして冷たい。いくらか流してみてもヤマメが出てくる気配はない。パイロットフライトしてパラシュートを結んでいるが、それがダメということではないと思えた。
一ヶ所目は早々に退散。次のプールへ。瀬では釣りにならないと判断した。
プールも水位は高く流れが重くなっていた。しばらく観察するがライズはない。ハッチは散発的にあるようだが、ヤマメの行動スイッチを入れるほどではないようだ。
・・・いや、ライズがあった。
晴れたけど・・・、前日の雪がな〜。
見てすぐに小さいヤマメとわかるライズだった。それでもないよりはマシ。まずは手堅く釣っとこう。
僕は結んでいたパラシュートをそのままキャストした。ライズポイント通過。反応なし。もう一度キャスト。流れるパラシュートのすぐ横でライズ。な、なんだ!?
どう見ても大きくはない。だからあまりムキになっても・・・。僕はフライを#18のCDCダンに変えた。フライも小さけりゃいいというものでもないが。しかし何にライズしているのかがわからなかった。目立った虫の動きは見えない。
結局このプールでは釣れなかった。ライズも数回で止まってしまった。僕はすぐ上流側にあるもうひとつのプールへ向かった。
2014 釣乃記
第四話  ナミヒラタの混乱
ナミヒラタカゲロウの羽化は見た事はあったがそれへのライズは初めてだった。
浮上するダンにしか目が行っていないヤマメたちは、水面の僕のフライなどおかまいなしだった。
僕のフライの真横で浮上ダンを追いかけて勢い余って水面に飛び出すヤマメ。僕は頭に血が上った。
結局そのライズは取れなかった。昼食を食べて帰ったが気持ちは収まらず、次の日に浮上ダンを演出するウエットフライを持ってまたそのポイントへ出掛けた。
同じ時刻にナミヒラタのハッチとライズはあった。しかし・・・。
ピーコッククイーン、フライのせいじゃなく、腕がね・・(+_+)
水面ライズを取れない時はいろんなフライがたまる。
気温はぐんぐん上がってきた。ハッチはまだ?
そのプールではすぐにわかった。大型のカゲロウが飛んでいた。ナミヒラタカゲロウだ。川底で羽化してダンのまま浮上するヤツだ。
すぐにライズが始まった。魚体が水面を割って飛び出す。派手なライズだ。サイズもまずまずのヤマメのようだ。
よしもらった! と僕は付けたままのCDCダンをキャスト。しかしここでも反応してこない。
ここは逃す訳にはいかない。シャックの付いたパターンに変えてみた。ヤマメは僕のフライには全く見向きもしなかった。
集落に近い川べりで遅い昼食をとっていると話しかけられた。
子供をふたり連れた若い夫婦だった。彼らはこの近くに引っ越したばかりだという。聞くとそれまでの住所は今僕が住んでいる町の近くだった。
「私は看護師なんですが、この近くに学校があるのでもっと勉強するためにこちらに移ったんです」と旦那さんの方が言った。
「新しい生活のスタートなんですね」と僕は言った。食べ終わってから僕は目の前の流れでフライロッドを振って見せてあげた。
「釣れないねー」と女の子の方が残念そうに言った。
今週は出前一丁。毎度の事ながら遅い昼食となります(^_^;
・・・そしてナミヒラタカゲロウが飛び始めた。