F.F.雑感
其ノ六百四十八  秋がキノコを連れてきた  
僕がキノコが見えるようになったのは、ちゃんとキノコに関心を持ち始めたからのように思う。
今まで関心がなかったのかといえば、あまり強く持ってなくて成り行き任せのような所があった。
わかってくるのが先か関心が出てくるのが先か。鶏か卵かという話だが、その辺りがようやく折り合いがついて一歩進んだ気がする。

帰ってチャナメやナメコを焼いて一緒に買って帰った珈琲リキュールの炭酸割りで頂く。
関心を持ったからか、味わいもまた変わったような気がした。
この日で今年6回目のキノコ採り。1回目が10月初旬だった。その時は山はまだ夏山の様相で、緑が鬱蒼としていたのを覚えている。そしてなかなか秋の訪れが感じられず、キノコの収穫も狙い通りにいかず、ヤキモキしていた。前回のキノコ採りの時は朝がかなり冷え込んでそろそろ秋本番かと思えば、あともう一歩季節が変わり切らなかった印象だった。
高速のジャンクションにある並木の色付きや葉の落ちようが、季節の進行のバロメーターになっている。それが今回とうとうしっかり色付いていてキノコの出に期待が膨らむ。キノコエリアに着くとさすがに紅葉がそこかしこに見える。そして、クリタケやシモフリシメジが僕たちの目の前に現れた。遅れていた秋がキノコを連れてやってきたという訳だ。

TSさんが言った、僕がかなりキノコが見えるようになったというのは、観察するのが慣れてきたというのもあるがそれだけではない気もしている。3年前にキノコに参戦開始した時は、チヌが終わってからメバルが良くなるまでの少し間の空く期間を埋めるのにちょうどいいとか、いい運動になるし秋の山を巡るのもいいとか、TさんやTSさんが楽しそうにキノコ採りをやっているのが面白うそうだ、とかそんな理由だった。
ムキタケはフカヒレスープに。これがまた合うんだな(^^)
上物のクリタケ。この日は一気に生え始めた様子でした。
「かなりキノコが見えるようになってきたね」とTSさんが言う。
「3年かかりましたよ」と僕が返す。「3年目ですか」とTさん。そう、キノコ採りは今年で3年目。少しはキノコを見つけたり種類がわかるようになってきた。
新たなクリタケの株を見つけたし良くわからないがやたらとでかいキノコも藪の中で見つけた。
それでもキノコの同定には慎重をきたす。TさんやTSさんでさえ迷うことがあるのだ。まだ良くわからない僕はさらに念入りに確認しなければ。
なんでもない斜面にいきなり現れるシモフリシメジ。
ショウゲンジやナメコも採れ、賑やかな収穫になった。TSさんはシモフリが採れたから終始ご機嫌だ。
落ち葉が斜面を隠し、追加のシモフリを狙うが難しい。それでも最初にシモフリが採れた場所で落ち葉を掻き分けもう二つ追加で見つけたとTさんから聞いた。
僕は先週見置きしておいたクリタケを回収していてその場に居なかった。
ムキタケがやや重めなのもあるがバッグがずっしり重い。クリタケもかなりの収穫量だ。
綺麗な状態のムキタケ。フカヒレスープに決定。
ついに、やっと、ようやく、秋が・・・(^^;)
 ナメコ、チャナメ、ショウゲンジを焼きで(^O^) 
シモフリシメジポイントの先にまたクリタケが出ていた。そして木の幹には状態のいいムキタケも見える。
本当に一気にいろんなキノコが現れ出した。歩けど歩けど見つからないとイマイチだが、次々とキノコが顔を見せてくれるとライズやテイリングを前にした時と同様、気持ちが昂る。
順調に採れていると、それぞれのキノコをどうやって食べようかと考える。TさんとTSさんにこれはどう食べるのがうまいかと歩きながら聞いたりする。
斜面にヤマカガシがいた。TSさんが注意を促す。するとTさんが「これ、シモフリシメジじゃないんですか?」と言った。何気なくヤマカガシの近くで見つけたそれは、正にシモフリシメジだった。
感嘆の声を上げたのはTSさんだった。TSさんの今年のキノコ採りの目標がショウゲンジとシモフリシメジを採ることだったのだ。
「ショウゲンジは先週採ったし、夢が叶っちゃいましたね」と僕が言うと、「ほんまよ」とTSさんは感慨深げだった。最初の山に入って30分しか経っていない。
黄色い絨毯で敷き詰められています(*^^*)