F.F.雑感
其ノ六百四十九  駆け足の秋とキノコ  
次に少し前にショウゲンジを結構な量採った場所に行ってみた。そこはすっかり落ち葉に埋め尽くされていて、キノコの影も見えなかった。
キノコの生える種類や時期の移り変わりはやはり早い。そして早いのはキノコだけではなかった。
この日何度か降ったりやんだりしていた雨。またパチパチと落ち葉を叩く音。少し違う。落ち葉の上にコロコロと白い玉が転がる。
小さいアラレだった。先週やっと秋を感じたと思ったのに、もう冬がそこまで来ているようだ。
前回少しだけナメコが採れたが、この日がナメコの本命だと僕たちは息巻いてナメコの採れる山にやってきた。前回のシモフリシメジも当然視野に入れている。シモフリというだけあって、寒くなり霜が降りる頃に出始めるキノコだろうから、今週の方が期待が持てる。こちらの地方でシモフリシメジが採れるとはっきりわかったから、斜面を見て歩く目つきも変わってくる。

KK君はこの日が2回目ではあるが、釣りでも発揮している野性の嗅覚とでも言おうか、そういう感性が鋭い人なので、直感で斜面に取り付く。そしてなんと僕たちも初めて見るブナシメジをあっさり採ってきた。図鑑に書いてあるブナシメジの特徴がちゃんと出ている。いやはやすごいね。
時折やんでいた雨がまたざっと降り始めた。パチパチと落ち葉を雨が叩く音が響く。結構歩いたがなかなか暖まらず、体は冷気に包まれたままだ。
シモフリシメジの炊き込みご飯。旨みがたまらん(>▽<)
ここも落ち葉でびっしり。キノコも探しにくいです(^^;)
雨が落ち葉に当たるから音が増幅されるようで、降り始めたのが良くわかる。
予報では降るなんて言ってなかったのに、山の天気のことだからそんなに生優しくはないか。
カッパではないのでいずれ全体に浸みてくるだろうけど、僕は上着のフードを頭にかぶった。歩く僕たちを包むのは、すでに秋の空気ではなくなりつつあった。
歩き始めは体が温まってなくてまだ寒く、手の指先もかじかんできている。過去にキノコ採りで手がかじかんだ記憶はない。
新ポイントで食べごろナメコ、採れました(^O^)
さらにTさんとKK君の能力は次でも真価を発揮した。
谷側の斜面を見ていたTさんが、シモフリシメジを見つけたのだ。しかも群生している。だがかなりの急斜面で降りても滑り落ちそうな角度だ。
それでもKK君はもう降りている。やっぱりかー。
僕も少し横から木を掴みながら降りて採ったが、KK君の採った量はすごかった。
僕は僕のペースで探せばいいと思うのだが、二人を見ているとうかうかしていられない気になる。
上物シモフリシメジ!!(撮影 KK君)
落ち葉の絨毯ですよ、CX-3くん(*^^*)。
 共同作業もお手のもの(^o^;) (撮影 Tさん) 
気がつくとKK君は斜面を登っていた。かなりアクティブに突っ込んでいくとTさんから聞いていたがその通りだ。
今回はTさんと釣り仲間のKK君と三人でのキノコ採り。KK君は今年一度参加して以来のキノコで、来たくてうずうずしていたらしい。
斜面のかなり上の方にTさんがキノコらしきものを見つけた。すぐにKK君が登っていく。どうやらクリタケらしく、Tさんと僕もなんとか上がれそうなルートでKK君のあとを追った。
「あれなんだと思います?」とTさんが指さす先に、木の幹にキノコがついているのが見える。
ナメコっぽい気がするが、道路からかなり離れているし、熊笹がどれだけ深いかわからない。
KK君を見るともうそこへ向かっている。一切の躊躇なしだ。
そしてキノコはナメコだった。僕とTさんもそこへ向かう。上物のナメコが生えていた。この山では初めての場所だった。
Tさんの観察力とKK君の行動力、全くもってすごいとしか言いようがない。
Iwatani 炙りやを導入。ナメコを炙りながらちびちびやります。