其ノ四百五十三  潮位差 3m74cmの浮上
「何が釣れますかっ!?」
「め、メバルです」
その女の子はダッシュで防波堤突端へ戻っていった。
「とうさんとうさん、メバルだってっ!!」
なんだかほっこり、気持ちが和んだ。

金曜日の夜、近所のmaekawaraftの工房にお邪魔した。フライの雑誌のカレンダーをいくつか送ってもらったので持っていった。
早速おいでなさいましたメバル様。まだ朝のうち。
近況や来年の話しをしているうちに、翌日の潮の話しになった。
干潮の潮位がマイナスになる大潮、潮位差は3m74cmになる。
「こりゃかなりのもんで」とM川氏。大潮の釣りは初めてではないが、この時期の大きな潮位差ではやったことがないかもしれない。
前回の一投目ヒット&バラしのこともあるし、かなり気合いが入った。
快晴、微風、潮流強し(^^)
予想を上回る潮流の強さだった。下げ潮ならわかるが上げ七分くらいなのにかなり激しい。
表層にもそこそこの型のメバルが見えている。
慎重に一投目、アタリはなかった。まあそんなにうまくはいかないか。
前回より大きく#16のフライだが、十分いけるはずだ。数投したが反応なし。
七つの橋の四番目の島、速いスピードで海面はぐいぐいと上がってきていた。
今回もこれで。やはりサイズは小さい方が反応はいい。
ぐぐぐっとロッドが持っていかれた。ようやくきたか。小気味よい引きをいなしながらまずまずのメバルを海面に引き上げた。少し離れたところで釣っている人がちらりとこちらを見たのがわかった。彼は僕より先にこの港で始めていた。クーラーボックスにロッドを3,4本立てて、それらを使い分けながら探っていたが、しばらくして帰って行った。
大潮でよく見られる潮流の向きの変化がすごかった。一投するごとに右から左が左から右に変わっている。防波堤の際と少し沖側で流れが逆向きだったりもする。
ぐぐっ! またきた。バラさないよう、足元のえぐれに潜り込まれないよう、かなり慎重にファイトする。一匹目と同じくらいのメバルだった。そしてまたきた。同様にまずまずサイズ。活性はかなり高いようだ。
昼過ぎ、満潮になり僕は昼飯を食べにいつもの海岸へ行った。
少し前までここで晴れた日に食べるのは暑くてキツかった。それが今では日陰は寒い。今朝、うちを出る時は2度だった。
この夏の酷暑がこんなにあっさりと変わっていく。釣りをしているとそういう移ろいが強く感じられる。

下げ潮の只中、三番目の島へ移動した。
カップヌードルリッチ。カロリーもリッチです(^^;)
昼飯の間にかなり潮位は下がっていた。潮位差が大きい時はスピードも早い。
流れる潮に逆らい泳ぐメバルが見えている。僕はためらわずキャストした。一投できた。まずまずサイズ。
釣り人は思ったほどいない。世間は3連休なので、遠出の人が多いのかも。
フライを流せば掛かる。バラしもあるが、イメージ通りだ。
三番目の島の日中でこれだけ釣れるのは初めてだ。
干潮間近でも活性高し!
話しは昼食前にさかのぼる。四番目の島の満潮手前、#16で釣れるが前回サイズは出ない。僕は#18に変えてみた。前回もこれだったが小さいからバラしたと思っていた。
キャスト、リトリーブ、するとラインが手繰れなくなった。引っ掛かった? と、ぐいぐい引き始めた。
防波堤突端で叫び声が上がった。お父さんが小アジを釣って、女の子が喜んでいた。
そして水面に#18をくわえたメバルが浮上してきた。
今シーズン最大。お付き合いありがとうございます(*^^*)