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其ノ四百五十八 寒気の島から夜の中へ |
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交差したライン。僕のほうにはメバル様が掛かっていた。隣の釣り師にもメバル様にも申し訳ないかぎりだった。
隣の釣り師の前あたりがかなり良さそうなポイントだったので、僕は徐々ににじり寄ってキャストしていた。
そしてとうとう。
氷点下の朝だったが、そろそろ一枚脱いでもいいくらいに気温が上がってきていた。 |
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ひな壇にゃんこ先生、整列っ!! |
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ほぼ風は吹いていない。釣り納めには格好の条件だ。
選んだ島は僕の住む町のほぼ正面、陸路をぐるっと回り込んで橋を二つ渡ってやってきた。
過去にも会社の若い人と来た事のある港を目指した。
小潮のこの日、まだ潮位は低くなかなか反応がない。
ラインを交差してしまった釣り師は帰っていった。好みの場所が空いたので、僕はそこでやってみる事にした。 |
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対岸には僕の住む町が見えている。ありゃ雪も降ってるな。 |
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すぐにチビメバルがかかった。目を凝らすと水中にメバルが群れているのが見えた。もう少し良いサイズを期待してキャスト。
緊張感のあるファイトをさせてくれるメバルはすぐには釣れない。リール直径サイズでこの港はよしとすることにした。
入れ替わりに若い釣り師がやってきた。釣り納めはもっと人が居るかと思ったがこんなものか。 |
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メバル様、本年もお世話になりました。 |
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すすずねこ様のチャルメラ、初登場(^^;) |
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こちらも初っ! フライでイカ!! |
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釣り納めは僕の中では恒例儀式になりつつあった。数日後には初釣りもたぶん行くんだろうけど、年末のこれもけじめと言うか、その年最後という感じで行っておかなきゃあ、と思っている。
実際はソルトウォーターのフライをやり始めてから、釣り納めだの初釣りだのなんて言い出したのであって、それ以前は渓流解禁後の最初の釣りが初釣りで、禁漁前の最後の釣りが釣り納めだった。
それがほぼ一年中釣りをするようになったから、どうしても年末年始に納めてそのあと初、ということになる。 |
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もぐもぐタイムの後、数ヶ所を巡ったが思わしくない。夕まづめまでやってみる気はあるが、どこでするかだ。
知らない場所でやるのはリスクが大きすぎる。
するとこの島では今年何度か夕まづめで居着きのアジを釣った港が第一候補に上がってくる。
というか、僕はもうそこしかないと思い始めていた。今から向かえば日没前には着ける。
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日没間近、寒さが戻って来つつある。 |
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途中、島のニャンコ先生そろい踏みの瞬間を見た。きっと僕を見送ってくれている(気のせい?)。
しかし、目当ての港は夕まづめを過ぎすっかり暗くなってもなんの反応もなかった。
あまり遅くまで粘る気はないが、ちょっと中途半端だ。
周囲には数人の釣り人、きっとみんな釣り納めを意識してきているんだろう。
と、急に重い感触。今年最後の一匹が夜の中から現れた。 |
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最後に重量級のかさごっちが釣れてくれました。 |
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