其ノ四百六十四  如月二週目の集中
体感温度はそれほどでもなかった。
全国的にこの冬一番の寒波だとニュースで言っていたし、僕の住むあたりも小さい雪だるまのマークが出ていた。
おそらくかなり厳しめの釣りになると予想しての七つの橋の島行きだったから、まずは寒さと言う点では拍子抜けした感じだ。
風がないのも助かる。しかしいつ吹き始めるかわからないのが島の釣りだ。
流れ藻かと思ったら、かさごっち(^^;)
厳しめの釣りが予想される要素は寒さの他にもある。
二月の二週目、メバルは産卵を終え、しばらく姿を消す時期だ。少なくとも日中は非常に釣りづらい。それはここ数年の二月の釣りで経験済みだった。
ならば夕まづめに掛けるかとなるのだが、この日は運悪く日没と干潮が同時だ。
それでも日中に釣れなかったという最悪を考えると、夕まづめから暗くなるまでやることもありうるか。
海は薄暗く。本土側は降ってるな〜。
魚影は見えなかったから深く沈めて始めてみた。引くとすぐに重くなり、カサゴが釣れた。こいつは二月でも釣れるんだ。
「夜からやるので場所取りで荷物置かせてもらっていいですか?」と声を掛けられた。初釣りの時にここを取られてしまったあの場所取り組か? 顔までは覚えていなかった。しかし脚立を用意しているのは共通していたし、おそらく初釣りの時の彼らだろう。
「どうぞ」と僕が言うと、「フライですか?」と聞いてきた。なんだかいかにも場所取り許可を得たから気遣いで聞いてきた感じだったので、「はあ、まあ」と言っていなした。この後彼らは車に戻って待機していたので、僕の釣りには影響はなかった。この場所は照明もあるので、夕まづめや夜の浅い時間の釣りもやってみてもいいかもしれない。
新発売のカップでもぐもぐタイム。スープは残します(^^;) カモメの群れ。カラスではありません。
パラパラっと雨が落ちてきた。少し風も出てきて、体感温度のホッとした着いた時の安堵感は緊張感に変わった。
厚い雲に覆われ薄暗いので偏光グラスは外した。海面がよく見える。潮目が目立ってきた。そして急に潮流が起こり始めた。
海面直下にメバルが見える。しかも口を開けてぱくぱくしているじゃないか。そこへキャスト。一発で散ってしまった。
小型ビーズヘッドパターンにパラッとファイバー。
でも期待していなかった二月の日中の釣果の可能性が出てきた。
潮流が早くなったかと思えばゆっくりになった。向きが変わる前兆だ。その間にティペットをやり変えた。
向きはすぐ変わった。結ぶのが間に合わない。
ようやく糸を直し潮下へキャスト。
少し数えてからリトリーブ、ググッときた。きた?
なんとあっさり釣れてしまった。二月なのに。
幅がせまいとなぜか内またになります。
型は小さい。同じようにやるが次が来ない。少し経つとまた潮流の向きが反転。潮下が逆方向。キャスト。
ググッと、きた。なんだ釣れるじゃないか。
潮流の変わり目でていねいに探りけっこう釣った。
ふと空に目をやる。厚い雲が陽射しを遮って薄暗かったから釣れたのかもしれない。
僕はまた潮流の向きを確かめるため、海に集中した。
いつものやり方でいつものメバル様(*^^*)