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F.F.雑感
其ノ五百九十 #0ロッドと雨の島
釣り始めて程なく、一匹目が掛かった。
今回は新たに巻いてきた#26のフライを最初に結んていた。 中の小くらいのメバルを海に返してシンキングラインをキャスト。魚影は見えているが、ライズはまだない。 Tさんとの島メバル釣行。全部を本HPに載せてはいないが、今回がこの冬五回目になる。しかも年明けからだから、かなりのペースでの釣行だ。 この日は朝からの雨の予報は当たっていた。 僕も慌ててフローティングラインを使うロッドを取り出した。何回か前のTさんとの釣りで、海面にいるメバルをラインの着水で警戒させていると僕たちは共通認識を持った。そこで今回はSAGEの#0番ロッドを用意してきた。海面のメバルを狙うならラインの着水での衝撃が少しでも少ないようにと考えてのことだ。僕が#0ロッドを持っていると話すと、Tさんが「それは面白い。ぜひ使ってみるべきだ」と言った。
もちろんラインも#0、それに5Xのリーダーに7X、10Xとティペットを継ぎ、#26のCDCパターンを結んだ。ロッドを振るとなんと軽いことか。#6のロッドでタイプ6のシンキングラインを投げ慣れているから、重量を感じない。ただ、ラインがロッドに乗っている手応えも薄く、うまくラインが飛ばないし、ターンオーバーもしない。力み過ぎだ。 でも海フライを始めて15年くらい経つが、ほとんど#6のロッドとラインでやっていた。それを#0でだなんて、僕一人で釣りに行っていたらやろうと思わなかった発想だ。今回の#26のフライにしてもだが、Tさんと行くようになってから思い切って今までのやり方を変えようという気になっている。 なんとか少し投げられるようになり、ライズしていた場所に落とした。なるほどラインの着水のインパクトもほとんどない。ただ、ライズはとうに止まってしまっていた。Tさんも間に合わず悔しがっている。 少し待っていると海面にリングが広がり始めた。また雨が降り出したのだが、その中に混じってメバルもライズを再開した。
ライズ直撃で思い通りの釣りに、思わず「面白れぇ」と叫ぶTさん。
#0ロッドを曲げまくったメバルさん。もっと良型が掛かればおおごとだわ(^^;)
雨粒がパラパラと落ちたかと思うと止んで、が繰り返される。
防波堤先端にはコブダイ狙いの釣り人がいたが、50cmクラスを釣り上げてご機嫌で帰られた。 これでここは僕たちの貸切になった。僕はやや先端よりに移動し、キャストした。 沈下をカウントしながらスマホで潮位を見ようと、ポケットから出して見てしまうまでに30カウント。そこからリトリーブすると、グンっと手応え。 それまで僕もTさんも赤メバルが釣れていたが、30カウントでブルーバックが釣れた。
降ったり止んだりは帰るまで続き、気温も上がらず。でも釣りは熱かった。
その後も30のタナが当たりのようで四回連続ヒットした。ブルーバックは底に沈んでいるようだ。
少し経つとTさんが「ライズしているっ!」と叫んだ。Tさんは大急ぎでシンキングからフローティングのラインを巻いているリールに交換している。 今回のひとつ前のTさんとの釣りは、二人ともただの一度もアタリすらないという、滅多にお目にかかれないレアな釣りだった。 それもあってこの日の釣りはなおさら外す訳にはいかなかった。
ここのメバルはどれかのヒレが異常発達(^^;)
陽射しはないが風もない。小雨は降ったり止んだりだが気になるほどではなく。
サギさん、お裾分けはありません。
Tさんがキャスト。僕も投げるがライズを前にしてまた力んでラインを失速させてしまう。
何度か投げて引くがなかなか食わない。ライズは続いている。 するとTさんがメバルを掛けた。フライを聞くとやはり極小のプランクトンパターン。レジンで固めているからフライは水面直下を通過していると言う。 僕はフライを#26 のCDCから#26 のビーズヘッドに変えた。 Tさんが立て続けに掛けた。メバルがプランクトンを食べているのは明らかだった。 キャストしゆっくりリトリーブ。するとたるんでいたリーダー部がゆっくり張った。ロッドを起こすと海中で魚体が反転し光った。
(掛かった!)一気にロッドが弓なりに曲がった。そんなに大きくないはずだが#0ロッドはめちゃくちゃ曲がる。 「見ている方も楽しめました」とTさん。渓流解禁前になんとか島の釣りの心残りはなくせた。 その後もライズは続き、雨の水紋とライズリングが途切れることはなかった。
立派な尾ひれのブルーバックさん(*^^*)。
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