F.F.雑感
其ノ六百二十三  朝まづめが途切れた
(やらかしたっ!)僕は冷静を保とうと必死になっている自分をなぜだか別の自分が客観的に見ているような気がした。
それはそれだけ混乱していたということかもしれなかった。
例によって東の空が明るくなり始めていた。この一番のタイミングでティペットがラインに絡んだ。ティペットを切るしかなかった。
努めて冷静に、1X→3X→6Xと継ぎ足し、フライを結ぶ。その間に明るくなっていった時間は、前回2投目で良い型を釣ったタイミングだった。
前回と同じ港に暗いうちに到着。今回は蓄光のファイバーを使ったベイトパターンを用意した。明るくなる前に試そうと思ったのだが、ここでライントラブル。暗い時はもっと慎重にキャストするべきだった。
直すのに10分くらいかかっただろうか。みるみる明るくなっていくのがわかる。焦るなという方が無理な話だ。それでもなんとか落ち着いてフライまで結び直した。気づくと直す間 外していたグローブが片方海に落ちていた。しかしかまっていられない。あとで回収できる。僕はキャストしリトリーブした。まだまづめのゴールデンタイムの真っ只中だ。
海面は低いがもう上がり始めている。それについてはまづめに潮は関係ないと、四回の朝まづめの釣りで自信は持てている。
今回もこの空から始まる釣りなのだが・・・。
あとから来る釣り人は一人もおらず。みんな大潮が難しいとわかっているのか?
海面が上がるのが早い。満潮は10時半。もうそろそろだ。
起きるのが早かったこともあり、睡魔と疲労と空腹が襲ってきた。
加えて早起きの苦労が報われなかったダメージも堪えた。
・・・帰ろうか。

いつもの高台(戦時中の砲台跡だった)で昼飯を食べていると猫がやってきた。少し一緒に過ごすがすぐどこかへ行ってしまった。
四回連続まづめで良い思いをしたんだから釣れないこともある。
僕はそう思いながら横になると、呆気なく眠りに落ちた。
糸を直し終わったらこの明るさ。まづめを逃したのか?(>_<)
前回の2投目ポイントに何度も投げるが反応がない。休ませるためほかに投げてもアタリなし。
少ししてまた2投目ポイント、ダメ。蓄光から前回釣ったノーマルファイバーのフライに変えてみる。ダメ。
だいぶ辺りが明るくなった。とにかく明るさの変化が早い。僕の思う正真正銘のまづめは過ぎてしまっていた。
それでもまだ日の出前の良い時間であることには変わりはない。僕は防波堤を行ったり来たりしながらキャストを続けた。
みそラーメン、ちくわもやし入り(*^^*)。
早起きもけっこうなアクティビティだと思います(^0^;)
今回はニャンコ先生、いらっしゃいました。 
そろそろ外すことがあるんじゃないかと思った前回だったが、結果は四回連続朝まづめで良い釣りが成立。がんばって暗いうちに起きて島に来た苦労が報われて、内心ホッとしている。
2投目で良い型を釣ったこと自体は嬉しいのだが、着いてすぐに釣るなんてことをやってしまうと、次からの釣りのハードルを自ら上げてしまったようなものだ。
でも今回は大潮で、朝まづめの時間は干潮から少し上がる頃になる。それなら十分イケるんじゃないかと思った。
プルプルプルっと小刻みなアタリがきた。ああ、スズメダイか。
それが活性が上がる合図だと思っていた時もあったが、それも不確かだった。
ズシっと重い感触、ん〜? これはメバルか? ラインを手繰ると赤っぽい魚体。メバルだった。
そもそも大潮の上げ潮の真っ只中なんだから、まづめを逃したとは言えもっときても良さそうなもんだが、活性が上がる気配はない。
案外大潮はダメだのか、産卵後の離岸する時期なのか、それとも一番いい時間にライントラブルでチャンスを逃しただけなのか。
中くらいメバルさん、明るくなって来てくれてありがとう(^^;)