F.F.雑感
其ノ六百二十四  朝まづめとパピーリーチ
(ついてきてるっ!)僕は息をのんだが、その魚はフライを食わないまま向きを変えた。
よくあるやつだ。でもあれだけフライに付いてきて、食わずじまいというのはどういうことか?
以前にあったその悔しい状況がパピーリーチの導入を決めた理由だった。魅力的な誘いのあとひと動きを補ってくれると思った。
フライの雑誌のパピーリーチの特集で初めて知り、指定のマテリアルを入手して雑誌の手順に習って巻いて、風呂場で泳ぎのテストをしてみた。これはイケそうだ。
港の防波堤に着き、暗がりの中の唯一照明のあるところを見ると、人がいた。(早い!)
過去の五回では僕より早く来ていた釣り人はいなかった。この人は照明のところで準備して、釣りは別の場所でするのかも知れないが、僕がやりたい場所に近い。迷ったが、僕はここを諦めてもう一箇所の港へ行くことにした。
20分はロスするだろう。東の空は薄っすら明るくなり始めている。僕は焦らないように自分に言い聞かせて運転した。
そして、もう一箇所の港のここも唯一の照明のある場所、人がいるっ! しかも二人。 ここも照明の場所の前がやりたいポイントだ。今回に限って二箇所とも先に場所を取られた。遅かったのか。
しかし迷ったり考えたりしている時間はない。どんどん空が明るくなってきている。僕は少し戻ったところにある、照明がないからまづめではやっていない防波堤でやることに決めた。明るい時間にはやったことのある場所だ。
プランクトンパターンに比べたらずいぶんでかい
10時納竿。最初の二箇所で先を越されたのが、結果的に良かったのかも?(^^;)
今年になって朝まづめ五回目の前回は、ついにまづめの時間に釣り損なってしまった。
自分で色々考えたが、決定的な原因はわからない。でもまづめの時間が有利なことは間違いない。
僕は六回目の朝まづめ釣行になんのためらいもなかった。

4時半起きで出発。五回のまづめでやった2箇所のどちらかにしようと思っていたが、途中スピードの遅いトラックにつかまったので分かれ道でその車が行かない方の港を選んだ。
パピーリーチに激しくくらいついてきたメバルさん(^^;)
日がのぼり、フライをパピーリーチに付け替えた。明るくなったとはいえ、まだ朝の良い時間なのだ。
キャストしリトリーブするが、風呂場のテストのような動きをしているか、しっかり沈ませたから防波堤の上からでは目視できない。
何投かしていると、突然荒っぽくフライがひったくられた。アタックの荒々しさは経験のないほどのものだった。
一投目ほどではないが良い型のメバル。しっかりパピーリーチを咥え込んでいる。
今回もみるみる明るくなる。時間が〜。
日の出の数分後、天気良すぎだわ〜(^^;)
もぐもぐが早過ぎて猫さんはきませんでした(^^;) 
準備ができた時点でだいぶ明るくなっていた。照明のないこの防波堤だとちょうどいい開始時刻ということになる。良いように考えよう。
海中はまだ暗そうなので、いつものシルバーのベイトパターンを結んでキャスト。
20ほどカウントしてラインを手繰り始めた。すると手繰るラインが動かなくなった。そしてググッと強く引き込まれた。
(え? いや、一投目で??)僕はこんな絵に描いたような朝まづめマジックが・・とにわかに信じられなかった。
この反応の良さは相当で、パピーリーチの動きのメバルへのアピールの高さはかなりありそうだ。
気がつくとすっかり明るい。空には雲ひとつなく、およそ二月とは思えない陽気になってきた。
そしてそれっきりパピーリーチに食いつくメバルは現れなかった。

再来週は川が解禁になる。僕はこの日を解禁前の海のラストにしようと思って来た。
このフライがどれほどの実力かは今年の後半に改めて確かめることにして、僕はパピーリーチのティペットを切った。
これも前々回の朝まずめ最大に並ぶメバルさんでした(*^^*)