F.F.雑感
其ノ六百十五  島の迷い人になる
微妙に空いているが入れないこともない。防波堤には三人が並んでいた。やってみようかと思ったら、数台停まっている車の陰から四人目の釣り人が道具を持って歩き出した。ここは諦めよう。
僕はもう1箇所の港へ向かった。そこはやりたい場所は空いていたがすぐ近くに人がいるにはいる。すると、車を停めている辺りで地元の人が草刈り機で作業を始めた。ここもやめとこうか。

これでこの島の有望ポイントはなくなった。いきなり釣り場難民になってしまった。
この週末、先週ほど冷え込まない予報。しかも日中は11月並みの暖かさになるという。風も午前中なら弱い。若潮明けの中潮で朝が満潮、昼過ぎが干潮、潮位差は小さく干潮でもあまり落ちない。条件はそろっていた。
僕は橋を二つ渡った島のいつもの2箇所の港のどちらかで、無難に釣れるだろうと思ってこの日の釣りに出掛けてきた。しかし条件のそろい具合はほかの釣り人もチェックしているだろう。それもあってか、釣り人が多い。考えることはみんな同じだ。
僕は渡ってきた橋を一つ戻って本土から一つ目の島の港を目指した。今年の年明けに何度かTさんと行った港だ。運よくそこには誰もいなかった。
釣り場探しで小一時間潰した。朝のまづめというには遅すぎるが下げ潮の途中だからまだいける。僕はシンキングラインで思いっきり沈めてプランクトンパターンを引いた。
金曜日の夜、好きな日本酒とハマチのなめろうとフライの雑誌(^^;)
この時間まで島に残ってやるのはいつ以来だろうか。
この島のいつもの港。朝も寄ったがその時の草刈り作業は終わっていて釣り人もまばらだ。 15時過ぎだが日暮れは早い。きっと陽が傾いてくれば魚の活性は変わる。
釣り始めてしばらくは何も起こらなかったが、急にドスンっときた。カサゴだった。
夕方が近づけば何か来るだろうと思ってはいたが、本当にきた。少しして今度はアジ。
朝から今までの迷い人のように島を走り回った時間はなんだったのか、と思わないでもない。
でも僕は今は素直に釣れたことを喜ぶことにした。
ドスンっといきなりカサゴっち(^^;)。
一つ目の島を半周した。山越えの道を通り橋のところまで戻ろうと思った。
山越の道の入り口の港、ここはやったことがない。防波堤は空いていたので、ちょっとやってみることにした。
防波堤から海を覗いてみると、メバルが群れでいる。そんなに小さくない。ほかの魚種もちらほら。
これはいい。僕は勇んでキャストした。引くとバッと飛びかかる奴がいた。合わすが掛からない。
でもこれなら楽勝だろう。良い場所を見つけた。
随分久しぶりにフライと糸の接続にスナップを使ってみました。
脂ののってそうな(?)うまそうなアジさん(^^;)
まだ16時なのに夕暮れのような。 
1時間近く、投げては引き、フライも変えて試して、を繰り返した。
全くなんの反応もなかった。魚影はちらほら見えているがメバルじゃないのか?
このまま釣れない時間が過ぎていくような、なんだかヤバい予感しかしない。僕はこの港も諦めた。
この島の西側を回る海岸沿いの道を移動した。途中にある過去に釣りをした港が2箇所。両方とも釣り人がいて入れる場所はなかった。
昼飯に焼きそばを作って食べた。前回の釣りの時、数年前は朝から夕方まで島にいて釣っていたのを思い出した。最近は朝から昼までやって昼飯を食べて帰る、というパターン。夕方までやるとしんどいのではなく、早い時間に釣れるようになったからだと思った。
昼飯は食べた。どうするか?

初めての港は魚影は見えていたのに釣れなかった。ここまで場所を変えてもダメで、でもどうしても釣るなら、もう夕方を狙うしかないだろう。僕はまた橋を渡り二番目の島に行く事にした。
このあとの釣りの前に腹ごしらえ。日清焼きそば大盛り(*^^*)