F.F.雑感
其ノ六百二十五  朝まづめとざわつく春
前回、二箇所のポイントを釣り人に先を越されてたどり着いた港。結果的にそこで一投目で満足のメバルを釣ったのだが、そこへ行くか? それとも前回できなかった二箇所のどちらかを見てみるか?
風が強い予報で、その影響は3箇所のどの港も同じだろう。
僕は島の一番遠い方にある港を目指した。仮に誰かいてもそこから前回やった港に戻るのはすぐだ。
その港に着いた。まだ真っ暗だが照明のある場所に人影は見えないし、ライトの光もない。
僕はここでやることに決めた。
防波堤の上に立つと下より倍 風が強い。予報では6m。でも行ってみるとそれほどでもないということが過去に何度かあった。
ぼんやりとそれを期待していたが、今回は予報通りだった。4時起き、照明があるけど辺りは暗く、そして強風。なかなか厳しい条件がそろった。それでも来てしまったのだからやるしかない。今までの朝まづめ狙いより早く起きて出発したから、一番いい時間までかなり余裕がある。ゆっくり準備して少し明るくなるまで待てばいい。

そもそもこの冬のメバルは前回の釣りで一旦終わりにするつもりだった。この週末は雨予報だったからどっぷり渓流解禁の準備に充てようと思っていた。それが雨ではなくなり日中は晴れに変わった。その代わり強風の予報にはなったが、それほどでもないかもという思いもあり、迷いが出た。
前回は一投目で十分満足のメバルを釣るという、解禁前のラストメバルには申し分ない釣りだった。有終の美を飾り尚且つ渓流への弾みもついたこれ以上ない終わり方だ。なのになんでまた島へ来たのか? もし釣れなかったらラストが台無しになる。
最初の場所から移動してきた港。風は弱まらず、釣り人も帰っていく。
明るくなってきて、風もさらに強まり。
10時満潮、風も弱まらず僕は納竿することにした。
暗い時に釣れたけどそのあとのことを考えると際どかった。前回でやめとけばいいのに、リスク覚悟でやってきたのは、メバルからヤマメへの変わり目だからだ。
間に釣りに行かない週末を挟んでも悪くはないのだが、島から北部の川へと、大きくフィールドを変える境目は、なんだか気持ちがざわつく。それが心地よい。
春を迎える時期と重なるのもあるだろう。そういや目がかゆい。風が強いからか、花粉もけっこう飛んでいるみたいだ。
全くの夜のようだが、すぐに朝がやってくるのです。
結局また投げた。風のせいだけでなく、辺りが暗いからどこか微妙にキャストのタイミングが狂うのだろう。ラインが絡まないように慎重にキャスト。
ラインの着水の筋が暗くて見えないが、10ほどカウントしてリトリーブ。少しすると手繰れなくなった。沈み岩に引っかかったか?
もう少し手繰るとググッと引き込まれた。(きたっ!)
海面が暗いから引きの感触が増幅される。それを差し引いてもかなり重い。焦らずじっくり寄せると、バシャっと水面で大きく水飛沫が上がるのが見えた。
この冬はこのロッドで結構釣りました。少しの間お休みです。
高台でのすやすやもしばらくお休み。川でも状況次第では寝ます(^^;)
冬の島もぐもぐ、ラストはやっぱりサッポロ塩。 
ロッドにラインを通しフライも結んだ。暗いことを考えて蓄光のファイバーを使ったベイトフライを巻いてきた。
風は強い。辺りはまだ暗い。どうするか? やはりこうなる。僕は待っていられなくなり、暗い海へキャストした。
しかしラインが風に煽られ一発で絡んでしまった。まだ時間はあるから余裕で直せるが、迂闊だった。
ラインを直した。少し明るくなるまで待とう。・・・待つ・・よな? うー、やっぱり。
少し 明るくなってきた。これからがまづめの一番いい時間帯だ。
風は強いが辺りが見える分キャスト時のラインコントロールはやりやすい。
ところがベストの時間帯に反応がない。投げる筋を変えたり沈みを変えたり、蓄光から通常のフライにしたりと試したが、すっかり明るくなるまでずっと沈黙だった。
過去のまづめでも続けて何匹も釣れることはなかった。まづめでも場荒れするのかも知れない。
日がのぼる前に前回の港に移動した。小型を一匹釣った後、良い型が掛かったがバレてしまった。
七回目の朝まづめで、まづめ釣行一番のサイズが釣れました(^^;)