![]()
カテゴリー
・TOP ・釣乃記 ・F.F.雑感 ・キャンプの話 ・隣人の毛鉤机 ・このサイトについて リンク ・Maekawa Craft ・TET.K'S Anything and Everything ・一遊一釣 ・ホームページ五目釣り ・我が愛すべきお魚たち ・Evidenced Based Fishing ・フライの雑誌 最近の記事 ・2013年釣乃記 第十三話 ・2013年釣乃記 第十二話 ・2013年釣乃記 第十一話 ・2013年釣乃記 第十話 ・2013年釣乃記 第九話 ・キャンプの話 2013年春2 ・キャンプの話 2013年春1 ・2013年釣乃記 第八話 ・2013年釣乃記 第七話 ・2013年釣乃記 第六話 ・F.F.雑感 其ノ二百八十四 ・2013年釣乃記 第五話 ・2013年釣乃記 第四話 ・2013年釣乃記 第三話 ・2013年釣乃記 第二話 ・2013年釣乃記 第一話 ・F.F.雑感 其の二百八十三 |
巻き戻しの流れで突然飛び出した。フライは当たらなかった。
もう一度キャスト、今度はフッキングした。 いい感じの引き心地、こりゃあイイゾ、と思ったら外れた。 ジリジリと焼けるように日光が降り注ぐ。もうすでに朝の良い時間帯は終わってしまった。これからは辛抱の遡行が始まる。 がんばって早起きしたつもりだったがこの日の早起きくらいではまだまだ遅いようだ。
なぜ頭にこんな赤い印が? インジケーターか?
時刻はまだ10時を過ぎたくらいだが、もう日の当たるポイントでは釣れる気がしない。
影になっている流れを狙ってキャストした。それでも反応がない。ひょっとして朝一番にバラしたあの時が最初で最後のチャンスだったのではないだろうか? この日入ったのはよそが渇水でも比較的水がある川だった。その川でさえさすがに雨の降らない影響は見え始めていた。 見た目水量は少ないとは思わないが、降雨による水の入れ替わりがなされない時間が長く続くと川としての状態は良いとは言えない。それは住人であるヤマメにとっても同じだ。 すぐに道路に上がれないから、かなりの距離を釣り上がった。結局バラし以外ではチビが一匹のみ。 たぶん今シーズン初めて釣りで汗をかいた。もう飲み物を持って入渓しないとダメだな。 赤い斑点のある黒い虫が目の前を横切った。そうか、もうテレストリアルの季節なんだ。 車に戻ると当然のことながら車内は真夏になっていた。
こんな場所でランチ。どんな高級レストランにも負けません。
例年よりもかなり早く梅雨入りしたので最初はどうなることかと思ったが、ふたを開けてみれば全くの空梅雨。県内でも一部の地域では取水制限のニュースが出始めるような状況になってしまっていた。
少し前には雨の週末もあったのだが、たいした雨量ではなかった。梅雨はいやだが釣りに関してはチャンスも生まれる。と言うか梅雨の雨量がなければそのあとの釣りは成り立たない。もちろん釣りだけではない。農作物にも産業にも深刻なダメージが与えられる。 ともあれ降らないからとおとなしく家に居るわけにもいかない。たいていの川で渇水が予想される中、それでも釣りをするのには少しでも水の多そうな川を選び、少しでも早起きして早い時間に釣りを始めることくらいしか僕がこうじる手段はなかった。
日陰の谷にもぐり込む。ここならどうか?
あ、朝から暑い〜(>_<)
ヤマメは僕のフライに出る事はなかった。
距離をとって投げてもティペットを細く長くしても。CDC、スペント、ニンフまで引っ張り出してキャストしたが、この木陰区間ではついに一度の反応もないままだった。 木陰だから出る、日なただから出ない、という法則もあっさり崩れた。もう打つ手が無い。正直、これほど苦戦するなんて思ってもみなかった。 まだ昼にならない。もう一ヶ所どこかやってみるか。 今年一度入った場所だが、途中で退渓していた。その先が気になっていた。 川に降りると前回最後にやった堰堤があり、そこを越えると瀬が続いていた。しばらく釣り上がる。朝からこんなに長い距離を釣り上がったのも今シーズン初めてだ。だんだん足が痛くなってきた。 瀬は長く続いていた。この瀬は結局ちゃらちゃらの流れであり、ポイントの無いまま僕はたまにキャストする以外はただ歩くだけだった。 岸際の少し深みのある流れ。ここにヤマメが居ればこういうふうに流したらこう出るはずなんだがなあ〜っと思ってそう流したら、そう出た。
上流の川筋が陰になっているあたりを狙って移動した。
そこは記憶していた通りほぼ全域が木陰で涼しい風も吹いていた。最初っからここに来れば良かったなあ。 気分を切り替え仕切り直し。この日の釣りはここから始まると自分に言い聞かせた。 スッと魚が走った。お、いるいる。魚は開きに出ていた。きっとヤマメだ。 僕は気分を良くし、次々とポイントにフライを投げていった。
渋い状況でもヤマメが一匹も居ないなんてことはない。
なぜわざわざ葉っぱにのっかって羽化するのか?
早朝は素直なヤマメも日中はスレてくる?
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
釣りをする時に水に浸かるのは別段特別なこととは思わないのだが、夏日と渇水の中でのご飯を食べる時のそれは極上のひと時と言える。川上からの風がこの上なく気持ちいい。
ふと視界のすみになにかが残った。僕は素知らぬ振りでご飯を食べていたが、間違いなくヤマメだった。ほんの2メートルほど先の開きに小さなヤマメがゆらゆらと泳いでいた。そして生意気にもふわりとライズまでしやがった。 そして僕は慣れない早起きでいつの間にかうとうとし始めていた。 |