其ノ二百八十四  春の嵐と毛鉤の事情
爆弾低気圧・・・も過ぎたか? というより晴れとるがな。
急発達し接近する台風並みの低気圧の予報に、この週末の釣りは早々にあきらめていた。
天気の動向次第では行けるかもしれないが、まずはタイイングでもするか。
解禁から続けざまに釣りに行って、フライもだいぶ減ってきた。まあもとから十分な量を巻いていたわけじゃないから、この事態はなるべくしてなったと言える。
ちょうどいい休暇なのかもしれない。
土曜日の夜は釣り仲間と飲むことになっていた。まずは三月の反省会などと題して。
シーズンが始まってから仲間で集まるのは例年だと五月連休になるのだが、今年は少し趣向が違う。まだひと月だがいろんなことがあったと言えばあった。なんだか密度の濃いシーズンが始まった実感がある。
遅くまで飲むんだから日曜日も釣りに行く気持ちはほとんどなくなってきていた。まだかなり荒れそうなことを予報では言っていたし。

明けて日曜、朝から台風さながらの強風が吹き、雲も高速で流されていた。晴れ、曇り、雨、が早いサイクルで繰り返される。僕は完全にタイイングモードに入って巻き始めた。
良く使うフライはフライトラップへ。ボックスにはあまり使わないのが残る。
解禁からのひと月で、多く消費したのはCDCダンと半沈みのパラシュートだった。
これだけでどういう釣りをしてきたかがうかがい知れるというもの。

僕の釣りは去年までとは変わってきたと自分で感じている。
釣りが変わるとフライも変わってくる・・・とは限らないが、今の自分の釣りに合ったフライを巻くべきだろう。
CDCダンやパラシュートを中心に何本か巻いたり、珍しくエクステンドボディを巻いたり。
いくらかフライボックスが埋まってきたら安心した。
この状態も次の週末には崩れるだろう。でもそれでいい。
それは部屋で巻いたフライが現場で的を射ていたと証明されたということなのだから。
なかば自転車操業のシーズン中タイイングが今年もこうやって始まった。
エクステンドボディにはいろいろと思うところもあるが、
まずは使ってみよう。