2018 釣乃記
第拾話  ゴギの谷の休暇
どこに行こうかと迷いが出た。こうなるとなかなか決まらない。最初に予定していた川まではかなり距離がある。なん〜となくこの日はそういう気分ではなかった。
道路脇の広い場所の木陰に車を停め、どうしようか考えていたらなんだか眠たくなってきた。
結局1時間以上も眠ってしまった。朝起きるのが早かったこともあるが、それにしても寝過ぎだろ。
時間が中途半端になってしまった。どうするか?
早くもゴギ様ヒット。数年ぶりのゴギ谷復活か?
どん兵衛 釡たま風うどんは秀逸。
水が見えない。源流の風景。
少し広めの溜まり。こんなイージーなポイントは釣れないな、と思いながら投げると、フッとフライが消えた。合わすと掛かっている。
こんな場所で釣れるとなると、この谷はかなり状態が良いのではないかと僕は思った。
そのあとも同じようなポイントでまた釣れた。サイズも徐々に大きくなってきている。

不意に気配を感じた。見ると登山道を登山の団体が大挙してやってきているではないか。
流れは細い。ピンスポットでフライを放り込むと、すぐにゴギが出た。おお、居るじゃないか!
虫食い模様の濃淡の濃いこの谷のゴギだ。とりあえず釣れて良かったと、僕はホッとした。思えば今年はなんだかしら、ここまではしんどい釣りが多かった。渋いヤマメ、川の状態、ぎりぎりボウズをまぬかれる釣行が続いていた。
この日予定していた遠めの川はヤマメの川だ。もしかしたら僕は無意識にヤマメ狙いの厳しさが予想される釣りに拒絶反応をしめして、それで眠たくなったのかも知れない。
いつもなら通過してしまうところに支流の谷があるのを思い出した。もう何年も入っていない谷だ。出遅れたので先行者が居るかと思ったが、道の行き止まりの駐車場に車は停まっていなかった。
川沿いには登山道が整備されているこの谷はゴギの谷だった。最後に入った年はほとんど釣れなかった。いつ行っても良く釣れる、なんてことはなかなかない。登山道を少し進み、途中で川に降りた。
年配方々の登山者ツアーだ。ざっと20人くらいいる。僕は彼らにめっちゃ写真撮られた(^^;)
こんな山奥で違和感のある光景だったが、これで熊とかの怖さは全くなくなった。

静けさを取り戻した流れ。またしてもイージーなポイント。フライをキャストするとまたしてもフッと消えた。
合わすとかなりの引き。やはりこの谷は状態がいい。復活したのか。僕は虫食い模様のきれいなゴギをネットですくった。
帰りは登山道を通るから楽だ。と、また下流側から登山者団体ツアーが出現。このルートはそんなに人気なのか?
せまい登山道をまた20人くらいとあいさつしながらすれ違う。
登山者の一人が「ゴギ釣ったかいね?」と聞いてきたので、
「はい、釣りました」と答えると、おお〜っと団体さんからどよめきがおこった。
テンポよく反応のいい釣りは、シーズン中間の休暇という気がした。暑い季節がすぐそこまで来ている。
かなり奥まで来たが、帰りは登山道でらくちん(*^^*)
ゴギさんに癒されて、来たるべき夏に備えます。その前に梅雨か(^^;)
最後にもぐもぐタイムと極上の昼寝タイム。