2018 釣乃記
第六話  風のゴギと雨ヤマメ
メイストームの襲来。テレビで各地で急な豪雨や雹が降ったなどのニュースをやっていた。
こちらは週末には雨予報だが、釣りに来たGW後半のこの日は天気は持ちそうだった。
しかし風が強い。本流筋はとてもじゃないがフライフィッシングは成立しそうにない。
今年初、7フィートのロッドを継いで、ゴギの谷へ潜り込む事にした。
ゴギは前回のヤマメ釣りの時に運良く釣れたが、狙って入渓するのは今季初だ。
風が雲を吹き飛ばす、と言うより雲が落ちてきそう。
強風は気温も下げている。谷は少し寒かった。そして谷の水もやたら冷たい。
(これはドライには出そうもない)とすぐに思った。
せっかく前夜にスパイダーとアントのあいのこみたいな黒いフライを3つばかり巻いてきたのに。
標高差のある谷を歩くのも今季初なので、なかなか足が上がらずよたつく。
予想通りドライフライには一切出る気配がないので、ニンフに変える事にした。
モンカゲロウの集中ハッチに遭遇。しかしライズ無し(>_<)
てやっ! と飛び移る・・・訳ない(^^;)
どこにも寄らず一気に釣り場まで来たからかなり早く着いた。
数日前にゴギを釣ったから、この日はヤマメ狙い。大きめの支流で仕度をしていると、ポツリときた。もうっ!?
パラパラと降り出した雨は強くなったり弱くなったり。降り始めがかなり早まっている。

有望ポイント、ズバッと魚体がフライを飛び越えた。当然空振り。
ツツジの咲く川沿いを釣り上がるがなかなか反応がない。
その後の有望ポイントはことごとく沈黙。雨は微妙に降り続きだんだん寒くなってきた。
じきに昼になる。雨は早まったが高速渋滞は発生していない。
不意に目の前をカゲロウが横切った。モンカゲロウだ。かなりの数がハッチしている。
しかしライズはない。それでも僕は大きめでボディが黄色のフライを投げてみた。
またヤマメがフライを飛び越えた。しかしロッドをあおるとぎりぎりフッキングした。
雨が本降りになってきた。
ツツジの川。雨は降ったり止んだり。
GW最終日、長い連休だと終わりが近づくにつれユウウツになる。
前日に予報を見ると最終日は午後雨になるらしかった。
しかし朝早く出れば昼までは釣りができそうだ。
連休で増えた体重も気になっていた。釣りで川を歩く事がどれだけのカロリー消費になるかわからないが、そこそこ期待できると思えるし、午後遅くには懸案事項の高速渋滞もある。
昼まで(雨が降り出すまで)と決めて釣りに行く事にした。
高カロリーが続いたのでカップヌードル NICE で。
・・・って、そういうことじゃない?(^^;)
谷の脇の薮の中にシャガが咲く。
なぜこんなところに?
モンカゲロウを食べるにはちょっと小さいヤマメ様。
GW中の釣りはいつもの週末と違った要素が入ってくる。やはり入渓者の多さ。それがこの日は強風と低温でそうでもなかったが、数日をさかのぼってならけっこう入っているのではないかと思う。
行きは朝早いので大丈夫だが、帰りの高速が渋滞するのではないかと言う懸念もある。僕の使うインターチェンジ前後は連休渋滞の名所になっている。どうか帰る時には渋滞していませんように。
で、ニンフに変えた途端、ゴギがきた。一度暖かくなった水温がまた冷えたら、ゴギも捕食ステージを季節をさかのぼって水面から水中へと変えるのだろうか? それとも水温の具合で水面に捕食物が流れる流れないを察知しているのか?
シュポッと音が聞こえた気がするくらいの勢いでマーカーが引き込まれた。
小気味よいゴギの反応が帰ってくる。
季節が逆戻りしたんだから勘弁してよ、なんてゴギが言っているようだ。
また風が強まってきた。どうも高速の渋滞が気になる。僕はこの日はこれくらいで帰ろうと思った。
実際、僕が家に着いたあと、高速は事故渋滞10Kmというのが発生していた。
季節が戻ってゴギ様はかなり渋くなっておられました(^^;)