2019 釣乃記
第九話  期待と気負いの日々
「明日から寒くなるんですよねえ」と僕が言うと
「そりゃあ、ええやないか」とM川氏。
確かに、もう夏じゃないか、と思うくらいの気温よりは良いかも知れない。
久しぶりのマエカワクラフトを訪ねた翌日、しかしこの日は市内でも7m近くまで吹く強風。
僕はもう一日待った方がいいと判断した。
そしてその判断は決して間違ってはいなかった、と思う。
この体型で大きくなったら完璧です(^^;)
ほとんど陽射しはなく、何回季節が戻れば気が済むの?と聞きたい(^^:)
もぐもぐタイムは新発売のカップめんと
入流困難になったカップメシ。
ハッチはあるが、幾分水位が低めだった。しばらく釣り上がったが反応はないまま。強風だった前日に誰かが入った事は十分に考えられる。いや、それを今考えたってしょうがない。 僕はこの川に来たら毎回攻めるライズポイントへ向かった。
「!」ライズした。着いてすぐだ。数分様子を見てみたが、それっきり。しかし、あそこにあいつはやっぱり居る。
僕は手前のポイントをパスして本命に注力した。一投目、フライは少し手前。まだ攻めが甘い。二投目、まずまず良いところ。三投目・・・四投目・・・、出ない。・・・きっと一投目が全てだったんだろう。
この区間の一番期待しているポイント。
手前からフライを投じていくが、ヤマメの気配はない。でもそれでいい。一番奥に良型が潜んでいるのはわかっている。
慎重に、丁寧に、奥へキャストした。スッとフライが薄く消えた。合わすとプッと手応え。
(切れた!) ああ、きっとでかかった。だから切れるんだ。

昼飯はいつものテーブルベンチ備え付けの場所で。かなり腹が減っていた。
予報通り風はない。一日待ったのは正解だった。ただ気温の低さは如何ともしがたい。
昼飯後少し寝て、次のポイントへ向かった。だがそこは沈黙。さっきの合わせ切れがどすんと重くのしかかる。
数週間前にまずまずのヤマメを釣ったポイントを再度狙う事にした。今なら更に良い型になっているはずだ。
僕は慎重に慎重を重ねてキャストした。出る出る出る、出た!
合わせた瞬間、自分でわかった。(強いっ!) また切れた。
強風の収まった日、目的地のインターチェンジは出口から込んでいた。この地域のマラソン大会と日本海側からロードバイクでやってくるイベントが重なっていたと後で知った。
川への到着は多少遅れたが、この日も気温は低く、釣り始めは早すぎない方がいい。
車を停めた広い場所の横の畑で作業していた地元の人と、ひとしきり話しをした。
「わしはここの川で釣りなんぞしたことがない」とその人。
やっぱりそういうものなんだ。
寒々とした流れ。これがヤマメにどう影響するのか?
すやすやタイムも、ちょっと肌寒くてあまり眠れません。
きみもきっともっと大きくなれるよ(^o^:)
下流域へ移動した。カワムツ五匹にヤマメ一匹、というペースで釣れ続けた。どれも小さい。
カワムツ一匹釣ってはCDCを洗って乾かしフロータントを塗る、を延々繰り返した。
二度目の合わせ切れもでかかった。前回まであんなにうまく合わせられていたのに、なにかが変わってきてしまった。

国道沿いではマラソンとロードバイクのイベントで賑わっているはずだが、この里川にはそんな賑わいは届いてこなかった。
寒いので、あったかいのが身にしみます。
と言うか、これがどれほど楽しみなことか(^^;)。