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2020 釣乃記
第弐話 たじろぐ春のあでやかさ
小さくてもきれいさでは尺ヤマメにだって負けません(>▽<;)
「今日行かにゃあ」とYさん。
「今夜雨が降って朝には上がり、日中は晴れるンよ」と僕。 ひと雨降ったあとに行くと、今週の作戦をそう決めたのだ。 Hさんは天気予報を見て、僕の判断が正解だろうと言ってくれた。 土曜日の釣り具屋、いつものメンバーとそんなやりとり。でもこれは逆に翌日曜日に良い釣りをしないと、というプレッシャーにもなった。 僕の判断、読みが果たしてどうでるか?
川に降りて寒さや空模様や風以外にまた新たな障害が判明した。道路から見る以上に増水している。夜半に降った雨はかなり本降りだった。雨の影響の読みがあまかった。そもそも夏ならともかく春先の釣りに雨のあとを選ぶ事自体どうだったんだろう?
ま、やらかしたものはしょうがない。来たからにはなんとしても釣らねば。次にYさんHさんに会った時に自慢できるような釣りを、なんとか。 今回は迷いなく、ニンフを結んだ。一年前のこの川の良い釣りもニンフだった。流れの緩いポイントへニンフを投じていく。ひょっとしたらハッチがあるかも、と期待もしながら。
桃の花を眺めながら、明日に備えてタイイング(*^^*)
今週も曲がりくねった道を車まで戻る道すがら。
寒い中、増水した川沿いを行ったり来たり。
増水の流れを遡り、ニンフを投じ続け、僕はやっと車まで戻ってきた。
見事に一度の反応もなかった。そんなに? 条件悪い? すっかり消耗した。寒いから前回のように大汗をかくほどではないが、へとへとだった。 増水や活性の低さ(魚の気配がない?)をかんがみて、上流域へ行くしかないと思い始めていた。ただ、休憩が必要だ。こうなったら昼ご飯も食べよう。
ヌッと出た。合わす。掛かった。グッと感触、ここまではかなりの型を掛けた時のイメージ。そしてロッドを曲げるヤマメは、そこまでのサイズではなかった。
また掛かった。小さい。まだ三月、早いか。これからか。 すぅ〜っと陽が射してきた。今頃になってようやくか。予報だと朝から晴れるはずだったのに。 読みが外れて寒さにたじろいだが、また釣れた小ヤマメのあでやかな魚体が目に残った。
数ヶ月後にまた会いましょう!
里の梅も見ごろだけど、寒々しい(^^;)
食べたら少し元気になった。単に腹が減ってただけか?
上流部に入った。枝葉は伸びてなくてもやっぱり狭い。深場もあるが全体的にニンフはむつかしそうなので、半沈みのドライフライに付け替えた。 緩流帯ですぐに出た。空振り。でもドライで反応する。 少し釣り上がると放流間もない感じのヤマメが釣れた。小さい小さい。 少し深みのある小プール。ドライのままで。慎重に慎重にキャストした。
(いやいやこれはどうなの?)
川は先週の暖かさの気配も残っていなかった。 山は霧の傘がかぶり、小雨も降っている。そして風が強い。 きっと前の日の同じ時刻ならもっと春らしい陽気が感じられたのではないだろうか? 全くもって今さら言っても仕方ないが、明らかな判断ミスだ。 ただ、この日やってきた川は一年前にはシーズン初期に良型を釣っている。ただそれだけが、この日の望みだった。
もぐもぐタイムの温かいので生き返る〜。
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