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其ノ四百八十六 その港を諦める日 | ||||||||||||||||||||||||
(あ、居るな〜)僕は防波堤の人影を見て落胆した。 しかし、先行者の横から先端の釣り人までの間は空いている。どうしようかと迷いつつ僕は車を停めた。 海の様子を見ようと車を降りると、先行者が見えない。なんと一段下に降りて片づけをしている。 僕は大急ぎで準備をして防波堤へ向かった。引き上げる先行者とすれ違った。きっと早朝からやっていたのだろう。 |
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初釣りの時と同じサイズのメバル様。大きい方はいずこへ?(^^;) | ||||||||||||||||||||||||
初釣りに続きまた七つの橋の島。初釣りは小潮だったがこの日は大潮の三日目。四番目の島の復活を期待してやってきた。 十一時満潮だがもう十時過ぎで、上げ七分は逃していた。しかしそのおかげで先行者が僕のやりたい場所から帰るタイミングに来れた。 少し遅かったから外海側は潮流は緩い。それでも期待を込めてキャストした。 少し経ったころ、三人の釣り人がやってきた。 |
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港調査中。案外なんでもないところにいるのかも? | ||||||||||||||||||||||||
「どうですか〜?」とひとりが声をかけてきて、「来たばっかりなので」と返した。三人のうちの二人は僕の立つ防波堤上段のすぐ下に荷物を置いた。もう一人は最初から釣り人の居る先端へ。しかし二人の方は僕に近過ぎやしないか? と思ったが、どうやら防波堤内海側で釣りをするようで、たちまち僕の釣りをするのには影響はないとわかった。それどころか、僕のすぐそばには釣り人ふたりと荷物が置かれているから、このあと別の釣り人が来てもすぐそばに割り込んでくることに対する防護壁の役割を果たしてくれそうだ。 「それ、フライっていうやつでしょう?」と最初に声をかけてきた人がまた聞いてきた。僕は「そうです。なかなか釣れないですが」と防護壁さんにていねいに返事した。 |
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言ったからそうなった訳じゃないだろうけど、実際そうなった。大潮満潮手前なのに反応がない。 やはりもう少し上げ潮の潮流が激しく、向きも頻繁に変わる時がベストだったか。 いつもの小型フライだが、ティペットを思い切って7Xにしたらチビメバルが掛かった。 僕は下の防護壁さんに見せて苦笑いした。彼は早々とビールのプルタブをあけていた。運転は先端に行った人に任せているようだ。 |
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どん兵衛とどんぶりの具の種類が変わった以外は前回と同じ。豚だしそばは秀逸。 | ||||||||||||||||||||||||
ほぼ満潮になってしまった。この港は下げ潮では良くないが、せっかく好きな場所で思う存分釣りができるのを、移動してしまうのが惜しい欲が出てきた。ただでさえこの秋冬はここで大潮で思うように釣りが出来ていなかったし。 話し声が絶え間なく続き出した。防護壁さんがあとから来た釣り師と情報交換をしていた。さらに若いカップル釣り師もやってきた。それでも僕の場所は余裕で確保されていた。 |
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中の小くらいのメバル様。復活の日はまだまだ先か。 | ||||||||||||||||||||||||
「フライは水面で釣るんでしょ?」と防護壁さん。「いろいろです。沈むラインで深いところも探ります」 防護壁さんはまたビールをあけた。そして弁当を食べ始めた。横の人もだが見てみてあまり魚は釣れていないようだ。先端に行った人は釣っているようで、たまにこちらに様子を聞きに来ている。そして防護壁さんはついに横になって寝始めた。なんとも好きにやっているなあ。まあそれもいいか。 僕にしても、今回はベストの潮にこそ遅れたものの、場所は安心して好きなようにできている。多少サイズアップのメバルが何匹か釣れた。一年前にコンスタントに釣れていた良型はここからは居なくなってしまったのだろうか。 |
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潮は下がり始めた。この港は下げ潮はダメだとわかっていたが粘ってみた。 だいぶ下がってから僕はようやく場所を変える気になった。防護壁さんに帰りますと言い、別の港近くで昼飯、そして初釣りの時と同じく三番目の島で日暮れまで粘った。 結局これまたチビメバルのみで終わった。 もう、過去の実績にこだわる釣行は終わりかな。そんな気持ちがやんわり浮かんでくるのを僕は自覚した。 |
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七回連続の快晴釣行。暖冬過ぎるこの冬。大丈夫かなあ(^^;) | ||||||||||||||||||||||||