2021 釣乃記
第肆話  春が少し川の中に
(海並みだ〜)と思った。本流筋はよく午後から風が強まったりするが、朝イチからこんなに吹くとは。しかも流れに立っていてふらつくほどの強風だ。
しかも悪いことに風は川の上流から吹いてくる。そうすると自然とポイントの上流側からダウンクロスでフライを流すやり方になってしまう。
ポイント移動もかなりの距離を歩く。場所によっては流れの中を歩くから、いい運動にはなる。
(実際釣行翌朝に血圧を計ると109/72mmHg だった)
(支流に行くか)僕は先週の釣りと同じく本流がダメな時の保険の川へ行くことにした。
そういえばこの日の釣りにきた時、道の駅で釣り仲間のSさんに久しぶりに会った。Sさんは解禁後の釣りは遠征以外ではこの日が初めてだという。「今日はのんびりライズでも見つけられたらいい」と言っていた。そうだな〜。僕はがっつき過ぎているかもしれない。SNSのほかの人の投稿を気にしているし。確かSさんはSNSのたぐいはやっていなかったんじゃなかろうか。
僕も周りの動向に左右されず自分の釣りを楽しめるようにしたらいいんだが、こうやって自分のWebサイトやSNSをやっているうちはそうもいかない。いや、どちらかというとそれは僕の性格からくるものが大きいのか。
滑る本流。靴のソールのグリップ具合で水質がわかる(^^;)
スピナーはハッチよりも産卵の時に捕食対象になるのかも?
「この冬は1.5m積もりました」と、農家の若い方。
「マジですか〜!?」と僕。
「桜の満開も二週間早いし、動物の動きもいつもと違う。何事もなければいいですがね〜」
川から上がり作業中のこの方と話をしていて、僕はさっき釣ったヤマメを思い出した。
おそらくライズの主だろうヤマメは届いたフライに出てくれた。雪の多さとその後の急速な気温上昇に、川の中にもようやく少しだけヤマメと一緒に春がやってきたのだと思った。
この日も午前本流、午後支流というプランを立てて出かけてきた。
しかし本流はこの強風で早々とくじけそうだ。
それに風だけはない。この日の場所も流れの感じや川底の石の具合など、かなり雰囲気はいい。しかし肝心の魚がいないことには話にならない。時期が違えば入ってくるのか、水位や水温の問題か。
川に向き直ると大型のカゲロウが風に飛ばされて水面を転がって行くのが見えた。虫もまともなハッチができそうにないようだ。
少し痩せてましたが、これから大きくなるんです(*^^*)
いまだに今年の川で使ったドライはCDCバインドパターンのみ。
気温は上がってきた。昼飯後、川を見てみると先週と同じくらいの水位だった。
先週釣りに来た翌日に雨が降ったはずだが、一週間で元の水位に戻ったようだ。

渓流解禁後1回目釣行でも入った流れ。最初の小プールで一投で出た。結構重い、と思った瞬間にバレた。
前来た時は魚っ気はなかったのに今回はいた。そこから釣り上がったがまた反応は途絶えた。
小さいけど好反応のヤマメ様。
体高はあります。体高はね(^^;)
もぐもぐタイムは最近は手早く済ませてます。 
別のポイントへ。ここは前回本流あとに入ったが、水位が低く釣れなかった場所だ。
ゆっくり入水、ポイントの流れの一番奥まったところで白い魚体がすっと弧を描いた。
(ライズっ!)僕はそのまま使おうと思っていたティペットをやり変えた。
一投目で出た。小さい。着水はライズより手前だった。二投目でもう一匹。同じサイズ。
三投目、奥まで届かない。四投目、更に手前に落ちた。五投目、届いた!

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