2021 釣乃記
第伍話  諦める本流、不思議な支流
「わしの家の庭を通って階段あら降りれるよ」と農家の方。
僕はお礼を言ってKSさんを呼びに戻った。川へは安全にスムーズに降りることができた。こういう最初のアプローチが釣りの流れを良くする、と思いたい。

川は素晴らく渓相が良かった。もう少し水があると更に良さそうだがそうなると遡行はキツくなる。一旦下流に降りてポイントを探った僕は上流へ向かい、KSさんに追いついた時、KSさんのロッドが曲がっていた。
最初にKSさんがあっさりと何匹か釣った。小さいが綺麗なヤマメ。動画編集に凝っているKSさんは色々と撮っていた。僕はここは出るだろうというポイントを流すが、なかなか反応がない。
10時を過ぎ、朝の冷え込みもだいぶ緩んできた。これならヤマメも目を覚ましてフライを追うだろう。チラホラといろんな虫もハッチし始めている。渓相は変わらず良いので、ライズも起こりそうだしヤマメもどこから出てもおかしくない。
しばらくは先行を交代しながら釣り上がるが、僕にもKSさんにも釣れないままだった。「いかにもいそうな本命ポイントにはいないね」とKSさん。そういうことか。そう言う場所はもう抜かれてしまっているということらしい。きっとひと雨降って気持ち増水したら、今までどこにいたのかというくらいにヤマメが釣れ始めるのだろう。
KSさんの釣りを後方で見る僕。渓流の釣りに人と行くのは超久々なので(^^;)
久々に見たエルモンヒラタガケロウ。羽化直後で翅に水滴。
果たして左の流れのKSさんの方はどうなんだろう? 中洲のアシ越しにフォルスキャストのラインが見えていたが、今は見えない。
四匹目、これは少しサイズが良さそうだ。小さいプールを走り回られた。

「四匹釣れました。四匹目がまあまあいいサイズでした」とKSさんが言った。(!?)なんだったんだ、左右に分かれたこの区間は。
また流れが合流すると釣れなくなった。昼をとっくに回り、僕もKSさんもすっかり腹ペコだった。
本流専門でやる方々も今年のこの川の本流は魚がいないと口々に言う。
ストイックな本流狙いを否定しないが、やはり二人で出かけてきたのだから、ここは次の目的地の第一支流へ向かうことにした。
支流と言っても川幅は広く木々が迫り出しているわけではないので開けていてロッドが振りやすい。
ドライフライにもってこいの流れではある。
そして農家の方の庭を通らせてもらって川に降り、この日の釣り開始となった。
山の稜線に日が沈む。一日よく遊びました(*^^*)
また少しサイズアップ。だんだん楽しめる釣りになってきた。
この日は去年の秋に一緒にメバル釣りに行ったKSさんとヤマメを釣りにきた。寒の戻りで釣りエリアは朝の気温が−1度だった。水温もまだ上がっていないだろう。
僕たちはまずは本流のポイントを見て回った。本流はあと何回もチャンスはないはずだ。だが予想通りライズなんてない。このままハッチの時間まで待つのか?
「本流はこんなもんですよね。待って一日つぶすことも珍しくないでしょう」とKSさん。
それはわかるが、せっかく二人で来たのに。
KSさんの優雅なキャスティング
ドライフライにうってつけの川。魚はどこだーっ
モグモグは16時(^^:) 腹減った〜。 
川の流れが綺麗にふたつに分かれる区間にきた。アシの生える小さな中洲に分断されている。
上流に向かってKSさんが左、僕が右の流れを釣り上がった。
すぐ最初のポイントで一匹でた。(これはひょっとして右が当たりかも?)と僕は期待した。
更に進むと流れは幅が広がり、深みや落ち込みなど変化が出てきた。ますます期待できそうだ。
二匹目、ヒレが欠けて見るからに放流魚っぽいが良く引いた。
三匹目、今度は逆に小さいが綺麗な魚体。


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