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2021 釣乃記
第漆話 オオマダラにまつわる水事情
河原に車が停まっていた。これで2回連続、本流のこの場所の釣りは諦めざるを得なくなった。
本流はこの場所の一点狙い。ダメなら一気に別エリアへ行こうと決めていた。 この日は朝ちょっと冷え込んだくらい。日が高くなるにつれどんどん気温が上がってきた。25度超えの夏日になるのは間違い無いだろう。 本流から移動しようとすると、大型のカゲロウが川の上空を飛ぶのが遠くからでも確認できた、
ダウンクロスで出た辺りに未練がましく何度か流した。手繰り寄せてもう一度投げようとすると、そこでライズした。
僕はすぐさまキャストしようとしたが思いとどまった。ティペットをチェック。引っ張るとプツッと切れた。危ない危ない。 僕はここぞとばかりにスペントパターンに結び変えた。オレンジのボディにCDCをバインドしたウィングをスペントに取り付けたフライ。しかしライズは果たして何かのハッチによるものだったか? ライズしたやつは僕が空振りしたやつと別の魚だろうか? スペントをダウンでキャスト。ライズの辺りに差し掛かると、出た。今度はフッキングした。ここもオオマダラが飛び、フライがマッチしていたと思いたい。 艶やかな魚体のヤマメを放し、そのポイントから少し上流へ移動した。そこは釣りをしたことがない区間だった。
スペントはカゲロウの水上の墓標のようだ。
このガンガンの瀬にヤマメが潜む季節になってきた。
しかしここが水位が安定しやすい環境だとしたら、ここは穴場だ。釣れなかった、新ポイント発見の収穫はあった。
場所を移動し、国道から離れた川沿いの旧道の木陰の離合帯に車を停めて昼飯にした。 すると軽トラがやってきて停まり、「釣れますか?」と聞いてきた。 その餌釣り師は釣れないと言った。話しやすい人だったので、今年の釣りの状況をあれこれ話をして別れた。 1時間かけて別水系に着いた。第一支流のこの川は山あいを縫うように流れているが、川幅は広めでフライフィッシングにうってつけの川だった。
ただ、朝の本流では感じなかったが、こちらの川は水がだいぶ少ない。 最初の本流で見かけた大型フライは時期的にオオマダラだったかも知れない。僕は前回のウエノヒラタにマッチしたフライを結んだ。大きさ、ボディの色はオオマダラとも合っている。
解禁後二ヶ月近く経って、だいぶサイズもアップ。
オオマダラのダン。こやつがスイッチを入れたのか?
この川で一番期待できるポイント。水は少ないながらにポイントはある。そこへフライをキャスト。バサッと出た。合わすとプッという感触。(切れた!)
またやった。学習しないな、僕は。いいサイズだった。流れもまああるし、ティペットが傷ついていたかもしれない。 少し下ると波高い瀬があった。流心の向こう側へダウンクロスでフライを流すとまたバサッと出た。今度は空振り。ここの魚はいきなり出る。それにしてもキャストも不用意過ぎる。
CDCバインドのスペントフライ。効くようです。
艶やかな魚体のヤマメ様。うっとり〜。
もぐもぐタイムは簡易バージョンで。
さっきのダウンクロスの場所はやはり減水していた。よくフライを追ってくれたなと思ったが、目の前の流れを見て僕はたじろいだ。
かなり早い流れ。波も高い。これが減水しての流れなら、ちょっと増水したらかなりの荒瀬だ。 この瀬の前後にプールがあるため、瀬の水量の調整機能を担っていて、この瀬は水位の増減が少ないのかもしれない。 その早い瀬で出た。空振り。僕も下手だがヤマメもこんな早い流れでフライを追い切れないのではないか? 僕は昼飯を食べ、旧道を進んでみた。すると軽トラが河原に停まっていて、釣りをする姿が見えた。
この旧道沿いも初めて入ったが、なるほどあそこはポイントな訳か。また新ポイントを収穫した。 そこから更に移動。毎年まずまずのを釣っている場所へ。 やはりここは通常ポイント通りに減水していた。難しそうだ。 と、明らかにオオマダラらしいカゲロウが飛んだ。僕は迷わずティペットにオレンジボディのスペントを結んだ。 戻る 釣りTop 次へ
新緑に囲まれた川。風景を楽しめる余裕は釣果から?(^^;)
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