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2024 釣乃記
第捌話 モンカゲロウに惑わされ
少し広めのプール、取り立てて何があるという訳ではなかったが、川へ降りてみた。
せっかくだからフライをキャストしたが、何も起こらず。 (やっぱり瀬の方がいいかな)と僕はラインを巻き取った。 視界の端に何かが映った。いやいやまさか。しばらく見ていると、ライズした。ライズ〜っ! こうもタイミングよくライズするかね? 急に気持ちがシャキッとした。 しかし、いったい何にライズしてるんだ? GWの連休の終盤、僕は釣り人が多いかもと思いながらも釣りに出掛けた。今年は本流で思うように釣りができておらず、例年ならGW明けには日中は釣れなくなる。連休の後半も天気が良ければ日中は厳しくなりそうだから、朝早くに出掛けてきた。
それが功を奏したのか、ライズに出会うことができたのだが、攻略に苦戦している。 相変わらずモンカゲは飛んでいる。これほど集中的に連続で見るのは初めてだった。モンカゲへのライズではないのはわかっているがライズはしているし、大型の飛翔がいやでも目につくモンカゲロウ、この二つが目の前で繰り広げられているのだから、そこに身を置いているのはフライフィッシングをやるものとしては、心がざわつく。 困った時のスペント、じゃないけれど、僕はCDCスペントを結んだ。またライズした。僕はそこへスペントをキャスト。流れのヨレにフライが流れ込み、ライズしたあたりに差し掛かった時、バチャッと水面が弾けた。合わすとグンッと重たい感触がロッドにのしかかった。 そのあともライズは続き、しばらく粘ってみた。ふと後ろを振り返ると土手の上に人が立っていた。KKくんだ。
ピーカンの本流プール。しかし、アレが次から次へと。
新緑の渓をKKくんと久しぶりに一緒に釣り上がる。
挙げ句の果てになんでもない所で滑って沈する始末。昼まで単発のライズは続き粘ったが釣れなかった。
先週昼飯の場所にまたKKくんがいた。ひとしきり話をして別れ、僕は上流域でなんとかヤマメを釣った。 流れの傍に役割を終えたおびただしい数のモンカゲのスピナーが固まって流れ着いていた。 翌日の日曜日は一日雨だった。僕は家でまったりしながら、あの場所でモンカゲロウはもう飛ばないのかな、と思った。 CDCの半沈みパターンを投げてみるがウンともスンとも言わない。サイズを少し小さくしても同じだった。
不意に目の前を大型のカゲロウが飛んで行った。モンカゲロウっぽかった。 (モンカゲのハッチか〜)僕は急に目立ち始めたモンカゲに対して気持ちは微妙だった。モンカゲのハッチへのライズは見たことがなかったからだ。 明らかに黄色のモンカゲではない大型カゲロウも飛んでいる。これはモンカゲのスピナーのようだ。
ライズの主は体高のあるヤマメさん(^^;)
彼とはこの日川に着いてすぐに会っていた。ここより下流の川に立ちこみ釣りをしている姿が見えたのだ。
「昼飯食った?」と僕が言うと、「まだです」とKKくん。それで昼飯休憩に入ることにした。 近くの道路沿いのパーキングエリアの木陰に座り込み、昼飯を食べながらお互いの釣りの近況を話した。もちろんついさっきライズを取ることができたことも。 昼飯後、KKくんと一緒に釣ることにした。中流域の流れ、川幅も水量も結構ある。
役目を終えたスピナーたち。
モンカゲスピナー、儚さの代名詞(ー_ー;)
モンカゲと言えばやっぱりダンの姿が思い浮かぶ。
良さそうな流れだがそこはGWのこと、新しい足跡があったりしたし、なかなかヤマメは出てこなかった。二人で一度ずつヤマメがフライに出ただけで終わった。
翌週、僕はまた本流へ出掛けた。GWの時の場所のライズがまだやるんじゃないかと期待してだ。 朝7時にGWと同じポイントに着いた。川に降りて少し待つと、小さなライズが起こった。 だが一週間経ってのライズは手強かった。 前回釣ったスペントもだめ、サイズを#22まで落としてもだめ。 |