2024 釣乃記
第玖話  真夏日の本流の瀬で
日は高くなりすっかり暑くなった。たまらず僕は一枚脱いだ。
流れは清冽で本流なのに濁りもない。強めの流れにフライを流すがフライが消えてしまった。
(消えた?) 合わす、グンっとロッドがしなる。掛かった!
よく掛かったな。飛沫を上げあらがうヤマメを寄せてすくった。

極上ポイントのヤマメはきれいに抜かれてしまい、このヤマメを釣った場所は竿抜けだっのか。
日差しがきつい。僕はサンマスクで顔を覆い、まだ続く本流の瀬に向かった。




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この日は二週連続でライズ狙いの釣りをした場所にまたやってきたのだが、もう前の二回と同じようなライズは望めないだろうからと、せめて早朝を狙うことにした。
4時起きで出発し、6時過ぎに現場に着いた。それで朝の冷え込みにやられた訳だ。ただ、この日は日中は夏日を通り越して真夏日になるかもしれないくらいの予報だった。朝昼の寒暖差がヤバい。
朝のライズへの期待は脆くも崩れ、下流の気になるポイントも空振りで、僕はまたライズポイントに戻ってきた。するとチュパっと小さくライズした。戻ってきた途端にライズするとは。でもそんなものかもしれない。
少し待つとまたライズした。それが僕が見た最後のライズだった。小一時間待って、流してみた。当然フライへの反応はなかった。モンカゲが飛んでいた日のライズ、今思えばもっと釣れていてもおかしくなかった。もう時期的にあれくらいの状況にはならないだろう。来年までのお預けだな〜。
さんさんと降り注ぐ日光、そして紫外線 (>▽<;)
瀬を釣り上がるために、存在感と浮力を優先。
(これは絶対出る)僕は慎重にフライをキャストした。良いところを流れている。
出る出る・・・・出ない!
ここで出ないのか? ありえない気がするが、ヤマメが居ないと言う事だろう。
ウェーディングスタッフをついてヒーヒー言いながら進むとまたしてもスーパーポイントが現れた。水深、流れの感じ、底の沈み石、どれをとってもこれ以上はない。キャストする。・・・出ない。ホントかよ? このポイントで?
僕は納得できないが先に進んだ。
車の外に出ると・・・寒い! そりゃそうだ、気温は8度。この時期にしては珍しく強い寒気が上空に入ってきていると天気予報で言っていた。
もちろんわかっていたことだから上着は持ってきているが、それを羽織ってもまだ寒い。
ポイントは静けさを保っていた。虫の飛翔はというと、極小のユスリカっぽいのがとんでいる。
水温よりもこの気温で戦意がもがれる。せっかく早朝にやってきたんだが、ライズを待つのが正解なのかどうか、僕は迷い始めた。
ようやくフライを食ってくれたヤマメ。ありがとさん(*^^*) 
川へのアプローチ。農家さんに声をかけて入らせてもらう。
ライズポイントの少し下流にも気になる場所がある。
せめてもう少し気温が上がるまでの間、そこをやってみよう。僕はラインを巻き取り、下流へ移動した。
気になる場所を遠巻きに下流側に回り込み、上流へ向かってキャスト。ちょうど真正面に朝の太陽が強烈に輝き、逆光でフライが全く見えない。
何度かやるうち、ギラつく水面でフライを見つけられるようになってきた。ただ、それに出る魚はいなかった。
そしてついに真夏日に・・・。  
先週の雨の影響はあまり残っていない。いい水位だ。
簡単もぐもぐタイムはカレーヌードルが美味(^O^)
ライズポイントから上流側の瀬も前から気になっていた。
ライズは不発だったがせっかく早起きして来てまだ時間は早いし、上流側をやってみようという気になった。
本流の瀬を釣り上がるのはあまりやらない。小渓流と違って太く重い流れは歩くだけでキツそうだ。
少し進むと早速胸まで浸かる難所が現れた。カメラを濡らさないように持ち上げながらチェストハイウェーダーギリギリで通過。その先にいかにもヤマメが潜んでいそうな極上ポイントが見えてきた。