其ノ二百七十三  師走に集う夜
宴もたけなわ。ゆっくりと酔っていきますσ(^_^;)
フライの仲間で忘年会をすることになった。と言ってもこれは毎年やっているのだが。
土曜日の夜、こじんまりと集まってゆっくりと飲み食いを始めた。
釣りのことやそうでないこと、話しは尽きない。
不思議なことにこういう時の時間の感覚は呆気なく崩れ去ってしまう。
1軒目はそんな感じですぐに時間がきてしまった。
あちこちの店も次第に灯が消えて、街もそろそろ眠る頃。
ようやく帰る事になったが、どうにもちょっと腹が減った。
何人かのメンバーでラーメンを食べて帰ることにした。
しかし目当てのラーメン屋がなかなか見つからず、僕たちは夜の町をうろうろし始めた。

ようやく店を見つけ、なんとかラーメンにありつけた。
ひとごこちついてまたさっきのK君の言葉が思い出された。
(あの印象深い体験をもう一度・・・)
夜の街を歩くのも、またずいぶんと久しぶり。
K君の場合、最近になってまた新鮮な刺激を感じるようになったのには理由があった。
それはもっと釣りをうまくなろうと思っているからだった。
なんとなく釣りをしていた僕にその意気込みは新鮮だった。
ひょっとしたら僕もまたあの印象深い体験をもう一度できるかもしれない。
ラーメン屋を出た。あと数時間で夜が明けてしまう。
僕たちは今度こそ帰路につくことにした。
続いて2軒目へ。ここでも時間の感覚は崩れたままでまたしても時計の針はどんどん加速した。
そんな中、今回初参加のK君が釣りの話をする中でこんなことを言った。
「今はフライを始めた時と同じような新鮮な刺激がある」 その言葉に僕はとても興味を覚えた。フライを始めたばかりの頃のあの強い印象はその時だけのもので、いろいろと知り経験していくうちにその新鮮さはもう
味わう事はできなくなっていたと思っていた。
またほかのみんなとの話しが始まった。もうけっこう酔っていたのでなんとも支離滅裂であるが、それもまた楽しい。
あれよあれよと言う間に日付は変わりさらに時間は過ぎていって、そろそろいい頃合いになってきたようだった。