其ノ四百二十八  寒波のあとの島へ
初釣りに行った翌日から風邪をひいてしまった。おまけになんでだか右足首も痛めてしまい、そして週なかの寒波。
うちのあたりで一番冷えた朝は -4度まで下がった。ここまで下がるのは記憶がない。

そんなこんなの週末、風邪と足首はなんとか快方に向かいつつあるが、朝の冷え込みを考えると釣りには行けそうな気がしなかった。
場所変えしての一投目、やはり!
ところが朝起きてみるとそんなに寒くない。寒いのは寒いが -4度に比べたらかなりまし。じゃあ行こう。僕はささっと荷物を車に詰め込み、朝の海岸道路を走って40分後には島に渡っていた。
週末には入るところがないくらいに込み合う防波堤が、割りと空いていた。せっかくだからと寄ってみた。もうすぐ満潮だが中潮だから潮位はそんなに高くない。いつも入りたくても入れなかった港だけにどんなだか楽しみにキャストしてみたが、コツリともしない。小一時間やってみたがついに一度の反応もなかった。
僕はそれ以上粘らず、次の港に向かった。昨年末のラスト釣行のひとつ前に行った港で、匹数ではかなり釣った港だ。
安定した効果のビーズヘッド。 初釣りの時と同じくどんきつね様の天そばを(^^)
一投目、小気味よい引きが伝わってきた。やっぱりこの港はフライとの相性がいい。

例年の感じだと初釣りの次の釣りはかなり苦戦している。去年は初釣りからしばらくの間は全部釣果が一匹だった。さすがに今回はそうはいかない。この港でならサイズはともかく数はいくはずだ。
そのあともまあまあペースでメバルが釣れた。時折珍しくイワシも掛かってきた。
ソルトフライ初釣魚、イワシ様(^^;)
「それはフライというやり方ですか?」
振り向くと防波堤先端で釣っていた釣り師が来ていた。
「あ、はい、そうです」と言うと「変わった釣り方ですね。ちょっと見させてもらっていいですか」と言うので構わないと言った。
前にここに来た時も前回の初釣りでも、やはりフライは興味を持たれた。
しかしせっかく見てもらっているのなら一匹釣って見せたいところだ。
日中は七度まであがり、風もなく釣り日和でした。
いつになく慎重にキャスト、リトリーブ。でもこんな時に限って釣れない。過去こういう時に釣れた試しがない。
しまいには上の電線にフライを引っかけてしまい、「こりゃ邪魔しとるね」と釣り師は戻って行った。
そのすぐあとでメバルが来た。ま、こういうものだ。
見学の釣り師は釣り終わって帰り際、「とても自然な釣り方に見えました」と言った。
僕はその言葉に、今日釣りに来て良かったと思えた。
結局あとになってメバル様。怒ってらっしゃる?(^^;)