其ノ四百二十五  11.6度、45km、無風の島で
ブルブルっ! 急に(急しかないか?)ロッドが引き込まれた。この状況で反応があることにも驚いた。
まだ潮位が低く、11ftの長竿が有利に働く。
痩せてはいるがまずまずのメバルを釣り上げて、ハリを外している間に海に落ちたフライにまた食いついた。
なんと、この港でこういう事は初めてだ。
しかもベタ凪のポカポカ陽気、完全無風で。
久々の釣行ランチ アラビアータ。うまし(^^)
この港に来る前に別の港(前々回、強風で全く釣れなかった)に寄ったが、見事に大入満員、よくこれだけ釣り人が並んだな? というくらいの状況だった。家から45kmの近い島なので、かなり早い時間に着いてコレだ。
この港にあぶれて仕方なくもうひとつ別の港に向かった(以前にもこのパターンがあった)。過去にも何度か来たが良い釣果には恵まれた事はない港だった。
サクッと釣れていただきました。
その苦手な港でなんだか過去にないこの雰囲気。数分後にもまた一匹追加で、これはどういうことだろうとにやけながら思った。海は見事に凪でほぼ無風。気温はそれなりに寒いが予報では11度までは上がると言っていた。
人に優しい条件だと釣れないの法則も打ち破ったことはあるが、ここまで穏やかな天気だとまた法則が復活しそうなものだが、そうではない。それはひとつに僕のメバルのフライフィッシングのメソッドが、いつもの七つの橋の島以外でもまずまず通用するようになってきたということかもしれない。そう思うとやっぱりにやけてしまう。
ま、油断は禁物、事実追加の一匹以降、反応がなくなった。僕は向かい側の防波堤へ移動することにした。
この日絶好調の新作フライ。 ご夫婦釣り師、お世話になりましたm(__)m
そこには年配のご夫婦釣り師が二人。突端にもう一人。
なんにしてもこの港は人が少ない。ポイントとしてはやはりよくないのか? あぶれた朝一の港はここと比べて潮流が早いから釣れるのか。
確かに先程釣った二匹はどちらも痩せていたし引きも弱かった。これも潮流の弱さとも関係があるかも知れない。
ご夫婦釣り師の少し離れた場所で釣り始めた。するとご夫婦釣り師がEPIのストーブで湯を沸かすのが見えた。
昼を回り、なんだか春の陽気。
フライをいつも通り防波堤沿いに平行にキャストしても反応はなかった。海中を見ると沖から陸に向けてゆるく傾斜する駆け上がりなのが、上から見てわかった。なので、防波堤と直角に、沖に向けてキャスト、手前にリトリーブ、というふうにしてみた。
これが当たった。それからあと、釣った匹数がわからなくなるくらいメバルが掛かった。ほとんど小さいが、中にはまずまずの型も混じった。
徐々にナイスファイトのメバル様も登場。
ライターを忘れた事に気付きご夫婦釣り師に借りに行くと
「よう釣ってですなー」と言われ、「いや、小さいのばかりで」と、照れて言った。
ストーブにケトルを置いてひと息ついた。
まだ干潮まで間がある。食べたらもうひと釣りしよう。
ご夫婦釣り師のご主人のロッドが曲がった。奥さんが防波堤下でコンビニ袋を広げて待ちかまえている。
僕は冬らしくない島で、お湯が沸くのをぼんやり眺めた。
夕方までやって、今日は大満足(*^^*)