其ノ四百二十四  雪のち晴れの島で釣る
前夜に釣り仲間の忘年会があったので、帰りが遅くなった。こりゃあ朝は起きれんな、と思っていたが、あっさりと起きれた。
しかし窓の外は雪。気温は0度。普通ならくじけるところだが、僕は車を発進させた。
予報を見ると昼前には晴れてくるようだし、気温は低いだろうが、問題は風だ。風さえゆるければ釣りはできる。寒さは着込めば解決するのだから。
予報通り晴れてきた島。ちぎれ雲が浮かぶ。
前回のような暴風はもうゴメンだ。僕は七つの橋の島を渡り継ぎながら、降りしきる雪にまた別の不安を感じ始めていた。
四番目の島のいつもの港に着くと、雪はなんとか止んでいた。風もそんなに吹き荒れていない。これはいいかも!
僕は勇んで車から出ると、
「!」さ、寒い。陽射しがまだないからよけいにそう感じた。頼むから風だけは吹かないでくれ。
赤いフライに食いついた赤い目のアナハゼ先生。
リーダーを長くとったのでロッドは11ft。 お父さん良型アジゲット。子供たち大喝采!
ファーストキャストでいきなりアナハゼさん。ほぼ満潮だが海中の魚類の活性は高いようだ。防波堤には家族連れが二組。子供が多いから気をつけなくては。それにしても寒い。体が縮こまってロッドも思うように振れず、リトリーブ時のラインのさばきもうまくいかない。
数投後、フライが水中の何かに引っ掛かった。強く引くとあっさり切れた。新しく巻いてきたフライだったのに。
今回のラインは途中で切れたタイプ#6を巻き直してきた。最近入手した新しいシンキングラインは、どうやら低温に弱い事がわかった。ラインが固くなり絡んだりのトラブルがあまりに多く、寒い季節は使うのは断念した。
家族連れのお父さんが良い型のアジを釣った。子供たちが大喜びだ。
もうひと組の家族連れはご両親の釣った魚を子供たちがさばいている。うむむ〜なかなかやるな〜。
ゴツンっとアタリがあった。防波堤下に潜り込まれないように誘導しながらラインをたぐった。
まずまずのメバル。手のかじかみも一瞬忘れさせてくれる。
メバル様、海水温はイイ感じですか?
フライを変えてみようと、ボックスから取り出した時、かじかんだ手でうまくつまめずフライを海に落としてしまった。
まだ一度も使ってなかったのに。ガクッときた。
先程のロストと合わせて新しいのを二本無くした。
寒くて、細かな作業がうまくいかない。
下げの潮流が始まってかなり経った。アタリはめっきりなくなった。
風は弱くて助かった。まともに釣りができました(^^;)
そろそろ潮時かと思った。ガツンっとロッドに衝撃が伝わったのはその時だ。
(これはかなりのサイズ)と思った時、フッと軽くなった。海のバラしはあまりなかったから、これまたガクッときた。
そのすぐあと、またフライをなくし、結び直した一投目、昼間としては始めてアジが釣れた。
なめろうには小さいな、と僕はアジを海に返した。
なめろう、じゃない、アジ様降臨っ!(^^)