其ノ四百三十一  危機的ニャンコ先生の島 -八-
よく行く(ホントによく行く)七つの橋の島、しかし釣りをするのはほとんどが三番目と四番目の島だ。
七つの橋と言うくらいだからたまには七番目の島へ行ってみよう。いつも同じ釣り場ではなんだし、以前に行った時の七番目の島はパッとしない釣果だった。今の僕ならどうか?
その七番目の島、長大な防波堤に釣り人はひとりしかいなかった。
防波堤を歩き回る鳥さん。あ、飛べるんだ!?
「フライですか! かっこええなあ」最初に居た釣り人は早々に帰るようで、帰り際に僕にそう声をかけた。早速恒例の声かけ、そしてありがたくも気分のいいお言葉。
この防波堤のことを聞くと、潮流が早すぎて手がだしずらいとのこと。確かに。
その後カップル釣り師が来たがすぐ帰り、僕だけになった。粘ってみたが全く反応は無い。僕も場所を変えるしかないか。
結局すぐにひとりに。こりゃ場所変えだ〜。
スーパームーン明けの中潮、正午の満潮に四番目の島へぎりぎり間に合った。
満潮なのにかなりの潮流、魚影も見えている。僕は数投で一匹目を釣り、更に数匹釣ったが、あとが続かなかった。
若いお父さんと男の子がやってきて、「どうですか?」と聞いてきた。「このあたりは最近よくないみたいですね」とお父さんは言い、防波堤先端へ行った。すぐに男の子がてきぱきと準備を始めた。なかなかやり手だな〜。
地合いにぎりぎり間に合って。しかし・・。
下げ潮になると四番目の島はあまりよくない。しばらく反応のないままどうしようかと迷っていたら、「場所変えます」と言って若いお父さんと男の子は車に向かった。
なんと素早い決断だ。僕も見習わなければ。
こうなったら三番目の島か。下げ潮だと激しすぎるかも知れないが。
そして僕も遅ればせながら移動した。予想どおり三番目の島は下げの潮流で荒れに荒れていた。
手早く釣行ランチ。後半戦に挑む気力を出すために。
七番目の島にさえ行かなければ、と考えても後の祭り。ここ数ヶ月は快調に釣果をあげていたが、今日ばかりは先程の数匹止まりか?
三番目の島も下げ潮の激しい流れを前に、釣りをする人はいなかった。
魚影も見えず、キャストしてもすぐにラインを手繰らないと防波堤下のえぐれにラインをからめとられてしまう。
以前は下げ潮がいいと思っていたのに、今は下げ潮では釣れる気がしない。
夕日に赤く照らされる岩盤とよろける僕(^^;)
さすがにちょっと疲れてきた。僕は車に戻ってどうするか考える事にした。
ふと視線を感じて振り返ると、島のニャンコ先生がいた。ゆっくり近づくとニャンコ先生も僕に近寄り、足にすりよってきた。
去年のおへそカフェのニャンコ先生以来の触れ合い。なんだか癒される〜。
しばらくニャンコ先生と戯れていたら元気が出てきた。僕はもう一度四番目の島に戻ってみる事にした。
凛々しいお顔の島ニャンコ先生(=^o^=)
今日一応釣れている港。すっかり海面は下がっている。何投もしてようやくチビメバルが一匹。その後は反応なし。
日没、こうなったらまたもう一度三番目の島で暗くなる前までやってみようと思った。
今日は本当に行ったり来たりだ。三番目の島の夕まづめ、最後の粘りが当たった。干潮の潮止まりでワンキャストワンヒットになった。
薄暗がりの中、目を凝らしたが、もうニャンコ先生の姿は見えなかった。
最後の良型メバル様。やはり夕まづめは可能性があるなー。