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其ノ四百八十二 その島は息を吹き返したか | |||||||||||||||||||||||||
「私、初心者なんで。始めたばかりなんです」 その男性はそう言って防波堤へ向かった。その言いように一体なんの意味があるんだろうか。あの装備や出で立ちで初心者はないな。僕が話しかけたのを警戒したのだろうか? 七つの橋の島の七番目の島、前々回の釣りでこの島で良い引きをバラした。それでもかなりのポテンシャルを感じたから、またやってきた訳だ。 |
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あちこち停まっては海の様子を見ています。 | |||||||||||||||||||||||||
初心者ぶってる釣り師は防波堤の際をていねいに探っている。僕も始める事にした。前々回の釣りのバラした辺りにキャストするが、この日はかなりの強風。思うところにフライを着水させられない。 近くで釣りをしていた親子連れのお父さんがロッドをあおった。大きく弧を描くそれにかなりの大物だとわかった。 お子さんがネットの柄を伸ばす。慣れたものだった。 人の釣りを見ている場合ではない。僕は防波堤突端へ移動した。 |
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七番目の島から六,五,四番目の島を望む。 | |||||||||||||||||||||||||
ここの防波堤はゆるくカーブしている。そのカーブ部でやってみた。潮流は上げ六分くらい。激しく流れている。 キャストしてリトリーブ、引く手が止められた。引っ掛かったようなそうでないような。と、ググッと生命反応。掛かってる! 結構強い引き。僕は後ずさりしながらラインを手繰った。バレた感触はなかった。しかしいつの間にか引きの手応えはなくなっていた。 突端から少し戻った。初心者ぶってる釣り師は防波堤中側の金網がしてある開口部に糸を垂らしている。もう! 初心者がそんなとこ狙わんっちゅーの! 僕は内海側でキャストした。ゴツッときた。よしっとラインを手繰る。少しして魚体が見えてきた。まずまずのサイズ。魚を海面上に引き上げた時、ポロっと外れた。 |
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気になっているなら行ったほうがいい。自分が自分にそう言った。 七つの橋の島の四番目の島、カワハギの引っ掛け釣りでダメになったと思った港。 カワハギの時期は過ぎたはずで、そうなるとやっぱり行ってみたい。 で、満潮まであと少しというタイミングで移動した。四番目の島の僕のやりたい場所は引っ掛け釣りの人ではない別の釣り師が陣取っていた。 |
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もぐもぐタイムはどんぎつね様の新商品とサラダ巻き(*^^*) | |||||||||||||||||||||||||
僕のやりたい場所にこうも釣り人がやり始めたのは、そこにハシゴが置かれてからだった。引っ掛け釣りの人はマイハシゴを持ってきていたと思うが、それ以外にもハシゴが置きっ放しになっていた。 僕は少し離れて防波堤によじ登りキャストした。近くで寄せ餌を打たれてるとフライは不利だ。でもそれだけでなく引っ掛け釣りの影響がまだ今も残っている気もしていた。 以前の必ず釣れる気がする雰囲気はまだ伝わってこない。 |
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まだ去年までの四番目の島に戻らない。 | |||||||||||||||||||||||||
ちらちらと先行の釣り師を見ている限りでは、一匹も釣れていない。僕に釣らせてくれたら掛けてみせるのに。 しかし少し離れた場所とはいえ、コツリともしないのは、やはりこの港はフライでは釣れない場所になってしまったと思うしかない。 と、ググッときた。なんだ?この感触は? ああ、そうか、メバルがきたんだ。 ワンテンポ置いて、僕ははしゃぎ気味に大慌てした。 |
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赤メバルさん、ようやく戻ってきたんでしょうか? | |||||||||||||||||||||||||