F.F.雑感
其ノ六百九  穏やかな島で、メバルと
アタリがない。時刻は8時前だがまだ朝のうちの高活性が続いていてもいいはずだ。
僕はキャストとリトリーブを繰り返した。しかしアタリがない。

キノコシーズンになってから、週末は連続でキノコ採りに出掛けている。一週でも間を開けると、逃すキノコがあると思うとなかなか開けられない。もちろんそれだけでなく、一緒に行く仲間がいるからというのが大きい。
この日は平日に有給休暇を取って島に来た。メバル狙いだ。
十月のメバルは日中は釣れない。夕方や夜はやるつもりはないから、可能性は朝早ければ早いほどある。
そう思って5時起きで出てきて、第1投は7時過ぎだった。多少なりとも朝の時合いには間に合っていたと思うが反応なし。ということは潮だったのか。ちょうど満潮潮止まりではあった。
風はなく晴天。波のない穏やかな様子を見ていると、直射日光が海面に降り注ぎ出したら釣れなくなりそうな予感がムンムンしてきた。僕は可能性を探るため、シンキングラインからフローティングラインでの海面の釣りに変えたり、元に戻したりを繰り返した。魚影は見えなくはない。まずまずの良型も見えている。
チヌは魚を見つけてのサイトフィッシングをやるようになったが、メバルはなかなかそれがむつかしい。沈めてならやはり見えていない魚を探って釣るやり方だった。
凪いだ海〜(^^;)
瀬戸内の景色を見ながらの極上のもぐもぐタイム。
10分くらい眠っただろうか、体が痛くて目が覚めた。
短い時間の眠りでも、外でだと目的のひとつをクリアした感じがする。
そしてこの日の釣りを思い返してみる。なんとか釣れはしたのだからまずはよしとしよう。
橋を渡り継いで島まで来て、一旦日常と離れることは、釣りの目的の一つだとずっと思ってきた。
昼飯や昼寝も今となっては島のメバル釣りの一部になっている。
僕は昼飯の道具を片付け、ようやくこの日の釣りを終わりにした。
久々出前一丁。ソーセージとネギは必須です(^^;)。
深いところで掛かったせいか、引き上げていくと急に強く走られた。かなりのファイトぶりだ。
2度3度とあらがうので思ったよりもでかいと、慎重にラインを手繰った。
釣り上げてみるとそこまで大きくはなかったが、良いファイトのメバルだった。
そのあと小メバルを二匹追加し、小カサゴとスズメダイも釣った。それを最後にぱったりアタリはなくなった。
11時近くになり、日差しが強くて暑く感じ始めた。もう釣れそうもない。
小メバル1号。
穏やかすぎる十月の海。
小メバル2号。 
メバルは二月以来だから八ヶ月振りだった。久々だと釣りも良いイメージだけで期待を膨らませて来てしまう。
だから朝の時合いを外してガッカリした。さらにこのまま釣れないなんてことになったら、せっかく取った有給休暇の甲斐がない。
防波堤の場所を少しづつ移動しながらやってみる。
深いポイントは遠慮なくカウントを30にしてみるが反応はない。それならと40まで数えて引くと、ようやく来た。
僕はラインを巻き取り、車に向かった。まだ12時前。
島から本土に渡ってすぐにある展望台へ向かった。そこの東屋で昼飯を食べるつもりだ。
瀬戸内の景色が一望できる場所だから人がいることが多いが、この日は平日、誰もいなかった。
釣りをしているうちは後半は空腹を覚えていた。ラーメンを作って食べ、ようやくひと心地。
朝が早かったせいもあり、食べたらすぐ眠気がおそってきた。短くて固い長いすだが、僕は仰向けになって速攻で眠りに落ちた。
朝日を浴びるメバルさん。9時ごろですけど。