2019 釣乃記
第弐拾伍話  きびしめの夏のひと釣り
涼風を期待した木漏れ日の細流。無風でひたすら暑かったです(^^;)
久しぶりにmaekawacraftに顔を出した。
M川氏やほかの釣り仲間の近況は、ご多分にもれずこの暑さにだいぶ参っているようだ。
今年のクマ目撃の多さや釣りの厳しさなどを情報交換しつつ、禁漁までの釣行はどうしたって意識する。
maekawacraftを訪れた三日後に釣行を予定している。台風が過ぎたあとを狙ってだ。
降雨などなにか釣りの条件を良くする起点がないとなかなか行く気にはなれない。
僕の行くエリアは8月末日が漁期の最終日、9月からは禁漁になる。今回の釣行を終えるとあと週末が二回。いよいよ今年の釣りも最後が見えてきた感がある。この度の台風があまり雨をもたらさなかったため、この日を含めて禁漁までの釣行はかなり厳しいものになることはほぼ確定だ。
谷は静かだった。確かに水位は多くはないがカラカラに渇水でもない。僕はていねいにを心がけ、フライをキャストした。なかなかゴギは出てこなかった。かなり釣り人が入っているのだろう。クマの心配よりも釣り人の残したプレッシャーの方が気掛かりというのも、こんな山奥まで来てなんだかなあ? と言う気もしないではない。
新たなコロッケニャンコ先生! お顔が怖いです(^^;)
細流に潜り込む。それにしても・・・。
渓流亭ケロロ師匠 「え〜、毎度ばかばかしいお笑いを一席」
流れと道路が近づいてきた。この先は入渓者が多そうだ。
僕は道路へ上がった。そしてバレたゴギをもう一度狙う事にした。時間が経ったからゴギなら出るんじゃないか?
最初の入渓箇所、急斜面をかなり降りる。そして肝心のポイントは、結局出なかった。
斜面をとんぼ返り。汗が吹き出した。そのあと昼飯はなぜか辛いカップ二つ。更に汗。
荷物を片づけ車に乗り込みエアコンをかけた。ホッとした。まあ今日は帰ろう。
ふいにゴギが出た。口に当たった感触、しかしバレた。
結局これがこの谷唯一の反応だった。

木々が日差しを遮る流れ。しかし時間の経過とともにここも涼しくはなくなってきていた。
この季節、釣れない釣りをしながらの遡行は体力もメンタルも強くなければならないと改めて知った。
唯一出たあのゴギが釣れていれば、なんて考えても仕方ないことを繰り返し考えてしまう。
早朝出発で川へは7時くらいに着いた。気温は24度。今のうちは快適だ。
最初は広めの川で朝のうちなら有望なポイントを狙った。しかし、水位は決して多くない。台風ではこの辺りはそんなには降らなかったようだ。
辛うじて子アマゴ一匹、日差しがきつくなってきた。僕は谷へ潜ってゴギ狙いに方針変更することにした。
この渇水では谷だって決して良い状態ではないのは容易に想像がついた。
もぐもぐタイムはどっちも辛いやつでした(^^;)。
この日、唯一手にしたアマゴ様。
夏の終わりの恒例、ロッドティップの赤とんぼ。
峠を越え川沿いの細い道を進むと車が停まっていた。W氏だった。
クマ好きのW氏、今年は何度もクマを見ている。この日も林業業者の作業終わりの夕暮れに出没すると読み待機中だと言う。
夏になっての釣りの厳しさなどをひとしきり話して別れた。
あのあとW氏は首尾よくクマを見れたのだろうか? 

帰ってから週間天気予報を見ると次の週末まで毎日、秋雨前線の影響で雨予報になっていた。