2020 釣乃記
第伍話  今日の雨子と昨日の眼張
新型コロナウィルスが猛威をふるうこの数ヶ月。先行きが見えない不安でどうにも落ち着かない日々が過ぎる。
例によって忘備録の本HPを見て、コロナウィルスが収束したあとの釣りの話を見返す日だってきっと来るのだと思う。
ただそのページはまだ更新されていない。ここでそうなって欲しいという未来を更新して、それが現実になるのなら・・・、なんて現実離れしたことを想像したりした。
最初のポイントはなにも出てこなかった。やはり水の多さが魚を安全なところに押しやっているのか。遡行は無理なのでいったん道路に戻って、少し上流でまた入渓。速い流れの脇の緩流帯にフライを落とすとバサッと出た。合わすと口に当たって外れた。食いが浅い。水位が高いと水面のフライをうまくくわえられないのかもしれない。
その少し先、ようやく緩く広めのポイントが現れた。慎重に一投目、フライにふわっと魚がでた。合わす、すっぽ抜け。口には当たっていない。少し時間を空けてもう一度。魚体がヌッと出た。合わす、すっぽ抜け!やらかした。ピンクの残像が見えた。
昼を回って風が強まってきた。今日は心置きなく帰れます(^_^)
島の桜の古木。僕のHPよりも長く時間を見てきた。
もうひとサイズアップしてほしかった〜(>▽<;)
また道路に上がり、少し歩いて上流へ。そこは激しい流れでポイントが消えていた。
車に戻り、更に上流側へ移動した。流れはだいぶ小さくなったが、増水加減は釣りができる範囲だった。

虫は少しだけ飛んでいた。増水だと虫もハッチしにくいのだろうか。
水深のあるポイント。数投したが出ない。更に一投、手前近くで魚体がバサッとおおいかぶさった。
小一時間やって僕はこの港を諦めた。満潮までに次の港へ。せっかく来たのだからなんとかメバルの顔を見たい。
渓流解禁前最後の島行きでまずまずのメバルを釣った、その時初めてやった港へ向かった。
雨が近いせいか釣り人はいない。最初の港と正反対で、海面下にかなり魚影が見える。チビばかりだが時折良いサイズがその下で魚体をくねらせていた。
(これならイケる)と僕はキャストした。ぽつりと雨が落ちてきた。
良好のコンディションのアマゴ様。パワーもなかなかのもの。
菜の花の草地を川を求めて進む。
雨足が強まってきた。そろそろやめようかと思いながらキャスト、リトリーブ。手前近くでググッときた。海面下でぎらっと魚体が光った。ひと月振りのメバルが浮かび上がってきた。

それはデジャヴのように手前で来た。合わせが間に合わないと思ったが、フッキングしている。狭い流れをぐいぐい引く。
何度が失敗し、ようやくネットですくったアマゴは昨日のメバルよりもずっしり重かった。
「よう降ったよ。明日かあさってくらいがええんじゃろうがね」と草刈りのおじさんが笑いながら言った。
「その頃が桜も満開で、川も桜も一番良いですね」と僕。

木曜金曜の雨だけでなく、土曜日の夜も結構降っていた。川は増水していたが、釣りができないことはなさそうだった。
でも長く流れを遡るのはしんどそうだ。目をつけているポイントだけをやってみるしかない。
すやすやタイムは強風で落ち着かない〜(^^;)
雨が降り出して、この日は終了〜。
今日はお昼にもぐもぐタイムができました。
週末手前の木曜日くらいからまとまった雨が降った。
土曜日の川は増水確定、日曜日に水位が下がってくれるかどうかだ。
それなら土曜日は川へ行かないならどうするか? ま、島へ行くか。きっともう決めていた。

市内から近めの島の港、満潮前の上げ潮だが海をのぞくと生気はほぼ感じられなかった。
気温は低め、午後からはまた雨が降る予報だった。