2020 釣乃記
第九話  マシュマロと夢で会うアマゴ
さすがにまだ朝だから快適だった。気温がちょうどいい。
肝心の川はというと、しばらくの間まとまった雨が降っていないので、予想通り水が少なめ。
浅い流れにフライを投げてもまず出てくるヤツはいないだろうと気を抜いていたら、ボソっとフライに出た。
小さい。すぐリリース。その次の浅い流れでまた出た。今度は少しいい型。
朝のうちだからか。僕は少しでも良さそうなポイントのみにフライを落としていく事にした。
わりと新しめの足跡もあった。先週か、それ以降の平日のものか。ここは市内から1時間ちょっとなんだから、自粛がなければかなりの入渓者だったろうし、それだとアマゴは釣り切られていてもおかしくない川だった。
川に降りてすぐ釣れたアマゴは、朝のうちだからというだけでなく、まだアマゴが残っていたからにほかならない。来週だったらさらに水もアマゴも少なくなっていそうだ。

(あっ!)引っ掛かった。今季初の細流での釣りだし枝葉がぐいぐい伸びてくる時期だ。つい今までの感覚でバックキャストをすると軽く引っ掛かる。フライは回収できず結び直そうとボックスを開けて、少し前に巻いていたマシュマロが目に止まった。
マシュマロボディにCDCをぱらりと巻いたもので、去年巻いて使っていたものよりマシュマロボディ以外のマテリアルはかなり少なめにしている。
健在のアマゴ様。予想外の好反応。
前回とはうって変わって緑に囲まれた細流へ。
去年のマシュマロはビートルを意識していたとはいえ、あまりにもゴテゴテとウィングやらレグやらを付け過ぎていた。
ソルトフライの初期の頃、マテリアルを付け過ぎていたのに似ている。

続けて数台の車が通った。この川は横にずっと道路がある。川が低い位置だから僕のことはあまり見えていないと思うが、ちらちら見える車種はほぼミニバンかSUVだった。
木漏れ日と風と緑の中の極上のすやすやタイム。
一週間前に週末移動自粛が緩和され、家から60km、1時間で着く本流に行った。もう本流は難しい時期で、中型のアマゴが釣れてくれて助かった。
あれから雨は降ってないし、もう本流は僕には無理だ。前回と同じ県内でも標高はずっと高く所要時間はたいして変わらない細流をこの日の川に選んだ。
ロッドも今季初6フィート3インチのmaekawacraft Syowkiで。
前回とは違い、日差しは緑で気持ちよく遮られている。
目が覚める良型アマゴ様。このあとひと眠りするんですが(^^;)
ちょっとしたプールでライズがあったが、キャストするとライズは止んだ。
そのプールの流れ込みに頭を出す岩の影、マシュマロを投げるとまた水面がよれた。

最初に車を停めた場所で昼飯と昼寝をする事にした。木陰で川沿いで良い場所だが、横をけっこう車が通る。みんなキャンプだろうか。それにしても多い。
でも食べてすぐに眠気がきた。最後のアマゴを釣ったその続きを夢で見よう。
この川沿いの道を更に行った先にはキャンプ場があるから、そこへ向かう人達だろう。キャンプ場も閉鎖されていただろうから、この週末は再開したのかも知れない。
そのキャンプ場もここからあと数十分くらいなので、市内から1時間ちょっとでアウトドアを満喫できるのは手ごろだ。

水面がよれた。合わすと掛かった。中の小くらいのアマゴ。それがふたつ続いた。マシュマロへの反応はかなりいいようだ。
マシュマロボディ自体もライトウェイトで。次回は黒にしよう。
久々のフルコースもぐもぐタイム(^o^)
キイロマダラシマトビケラか? ワンポイント目立ち過ぎ。