2022 釣乃記
第拾壱話  島、本流、そして支流へ
快晴の島、空気が瑞々しい。
過去の釣行では日中に良い型を釣っている。多少出遅れた感はあるが、満潮は10時過ぎだから問題ないと思っていた。
今年の初釣りで行かなかった七つの橋の島の四番目の島。ここでは今年初めての釣りになる。大潮の満ち上がりはこの港での鉄板の条件だ。
風が強いが潮流もあるし釣果は固いだろうとキャスト。しかし2投3投するもアタリがない。
魚影は見えている。こんなはずはないんだが。
ゴールデンウイーク終盤、僕はまた本流狙いで西の川を目指した。釣り仲間の実績では五月いっぱいは釣っているが、徐々にきびしくなるのは間違いない。徐々に支流中流域も良くなるから、行き先には迷うところだ。
着いてすぐ、狙っていた場所に行くと車が停まっていた。釣りかどうか微妙だったが、僕は別の場所に取って返した。
数日前までこちらに来ていたKSさんの情報で、この本流は濁りが入るという。おそらく田おこしのしろかきの濁りだろう。すでにわずかにささ濁りだった。
ライズを待ちたいところだが、虫は飛んでないしもたもたしていて濁りがひどくなったら釣りづらい。僕は目ぼしいポイントを流してみたが、一度の反応もなくハヤがつつくこともなく、その場所を諦めた。

もう一度最初に向かった場所に行くと、車は居なくなっていた。僕はここでやってみることにして川に降りた。いい感じの水量、早速キャストするが、印象に反してフライを追うヤマメの気配はなかった。
逆に別の気配を感じて振り返ると、釣り仲間のKK君が立っていた。
「のぞいてみたら見覚えのある車が見えたので」とKK君。4時おきで車を飛ばしてきて、すでに良型ヤマメを釣ったと言う。
気持ち良い五月の島。夏がそこまできている。
支流のワイルドヤマメさん。連休最後の至福。
ググンっと全く突然アタリがきた。ロッドが引き込まれるこの感触が僕を刺激する。
(ようし、ようやくだ。ここからが本番だ)手繰り寄せると、中の中くらいのメバル。それでもなんとか釣れてよかった。
畳み掛けるぞ、と更にキャストするがあとが続かなかった。
粘ったがその後全くアタリはなく僕はお決まりの昼飯と昼寝を決め込んだ。
それでも五月の島の気持ち良さは体の隅々まで染み込んでくるようだった。
ゴールデンウィークにもけっこう釣りに行っている。
この日はヤマメ狙いばかりでなく、ちょっと目先を変えてもいいかなと思って、島にやってきた。
五月の日中に釣った実績があるから不安はなかった。それなのに反応なしとは。潮位より朝早くの時合いが有効だったかもしれない。
ただそれだけではない、この港のメバルの減りよう。ヤマメの川でもよくなったり釣れなくなったりを繰り返すように、長年通っている間には、こういうメバルが離れるということもあるのだろうか。
釣りにきて寝れるか寝れないかは、大きな分岐点だ(^o^;)
本流の釣りが続くと、里の風景が懐かしい(^^;
その後KK君と分かれ、僕は遅い昼ご飯を食べた。食べて休んだらだいぶ体がシャキッとリフレッシュできた。もうひと釣りしよう。
本流はもう濁りがひどくなっていそうだが、支流なら。

少し陽が傾いてきた。あそこならというポイントは静かに流れていた。手前にはカワムツらしきライズ。奥は沈黙していた。 一番奥の付き場にフライを落とした。
ピチャッと水しぶきの小ささに反し、ロッドにヤマメの手応えが重たく乗ってきた。



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冬には見られない五月の海の色。
唯一のやる気メバルさんでした(^^;)
最強どん兵衛、確かに最強かも。 
「この先の有望ポイント、行ってみませんか?」とKK君。
「行きたいっ!」っと僕は口に出していた。
KK君に案内されて、本流ポイントをいくつかやらせてもらった。釣ることはできなかったが、本流でも丹念にポイントを探るKK君の地道な努力には脱帽だった。
そもそもこの日は最近KK君の本流が好調と聞いたので、イケるんじゃないかと期待してだった。
KK君の釣りには敵わない。同じように釣れると期待したことが恥ずかしい。