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2022 釣乃記
第拾漆話 真夏日の川、梅雨寒の谷
最初からわかっていたことだが、水がない。いやひょっとしたらということもある。行ってみないとわからない。と、思って来たのだがやっぱりひょっとしてはなかった。
週の初めに降るには降ったが、川が増水するまでには至らなかったようで、しかもそれから三、四日経っている。 おそらくこの流れに入るのは今季はこれが最後だ。開けた里川だから真夏はもう釣りにならない。 いくら水がなくてもあそこなら、という場所がいくつかある。 水が少ないなりに良さげな流れはある。ただこの季節の枝葉や葦の伸び放題の様子をみたら、わざわざ入渓して釣りをする物好きはきっと希少に違いない。
それを裏付けるようにバサッとマシュマロフライにヤマメが食いついた。細い流れで伸び放題の葦に囲まれてだから、相当大きく見えた。だからネットですくった時、その瞬間に縮んでしまったと本気で思った。いやー、出た時は絶対もっとおっきかったでしょ、ねー?・・・って、これは釣り人のたわごとか。 竿抜けの一匹以降、さらに釣り上がったが反応はなく、薮をこいで道路まで上がった時には汗びっしょりだった。 時刻はあと少しで正午。昼飯か、もうひと釣りするか。どちらをするにしてもひと山越えて水系を変えてみることにした。峠を越えて反対側の水系に着いた頃、空は厚い雲に覆われ少し薄暗くなってきた。
道の駅ニャンコ先生! 段ボール箱の中は快適ですか?(^^;)
CX-3くん、今回はここまでにしときますわ(^o^;)。
木の枝が春先よりかなり手前側に伸びていた。遠近感が鈍っているのか。引っ張っても取れないし切れてくれない。やむを得ず強く引っ張ると切れて枝が大きく揺れた。ポイントの真上でだ。
それでも諦めずキャスト。出たが小さい。おそらくヌッと出たライズはこの子ではなかった。 朝早めに入渓(それでも8:00)したが、すでに昼近くかなり暑くなってきた。この日のこの辺りの予報では30度まで行くらしい。 少し上流側に移動して入渓。ここも水は少なく草木は伸びていた。 目当ての場所の一つ目、やはりかなり水は少ない。一番良いところに最初に流す。
バシュッと出た! 掛からない。それっきり沈黙。魚はかなり神経質になっている。 途中は釣りにならないのでパスして次の有望ポイント。蜘蛛の巣にまみれたティペットをやり替えながらポイントをみていると、ライズした! ヌッと魚体が出る出方。良い型がするやつだ。 一投で決める。僕は慎重にキャスト。と、ライズ場所の上の木の枝に引っ掛かった。
明らかに竿抜けのポイントで綺麗なヤマメさんが出まして。
雨宿りを兼ねた木陰のもぐもぐ&すやすや会場(^^;)
少し寝て元気になったので、この川でもやってみることにした。川に降りると午前中の川よりはしっかり水がある。
しばらくは反応はなかったが、中くらいの淵でチビヤマメが掛かった。これから良くなるかも、と思った時、遠くでゴロゴロと雷が鳴り始めた。 雨で濡れて体が冷えていたし、辺りは薄暗くラインも絡んでしまい、落ち着かない。 午前中の夏の川からずいぶん変わったものだ。もう引き上げるしかなさそうだ。僕は帽子のつばの水滴をぬぐって車に向かった。 戻る 釣りTop 次へ
峠越えの前で、すでに不穏な雲行き。
午前中の川は真夏日記録の真っ只中。
そぼ降る雨ともぐもぐメニュー。
これはもう雨が降る予兆以外の何者でもない。かすかに雨が降る前独特の匂いもする。
この水系で昼飯を食べる定番の場所で準備を始めた。雨が降っても土砂降りでない限り木の下ならあまり濡れない。 と、思っていたらぽつぽつと降り出した。 ラーメンをすすりながら川面に雨が作る水紋を眺めていたら、いつものように眠たくなってきた。 少し肌寒くなって目が覚めた。こりゃいかん、片付けなくちゃ。 雨は降ったり止んだりで、川はもやが立ち込めていた。 |