2022 釣乃記
第拾玖話  夏の清冽と増水の不遇
(あーっ、車が停まってるっ!)膨らんでいた期待は一気にしぼんでしまった。
釣りとは限るまい。僕は車を停め川を覗いてみた。するとルアーマンがいるのが見えた。そうかー。
僕はしばし考えて行き先の水系を変えることにした。峠を越えて別水系へ。20分も走れば着く。

この日は週の前半に降った雨の増水残りを期待していた。確かに川はいい感じの増水に見えたが、降った後3,4日経っているから期待していたよりも減水していた。
まだ候補はある。僕は車に戻り少し移動してまた入渓、小ヤマメ釣ってまた移動、を繰り返した。この辺りは春先に入る里川で開けているし標高は高くないので、さすがに時間と共に暑くなってきた。蜘蛛の巣も多い。それでも七月中旬にもなっているのにいくらか釣れるのは、週前半の雨の増水の効果が残っているからだろう。

それにしても最初の場所の先行者、あの場所に僕以外の車が停まっているのを初めてみた。あの場所に入り出して3、4年目くらいだが、今まではたまたまバッティングしなかっただけだろうか? この川をやり終えたらまた峠を戻って、やってみよう。数時間経てば先行者のプレッシャーも薄れていることを期待して。
峠を越えて目指す川へ。その上空には夏の雲が浮かぶ。
川沿いの木陰、吹き抜ける風が気持ち良過ぎ〜。
峠越えの水系では小ヤマメと小ゴギがいくらか釣れた。この時期に釣れただけで良かったと思うが、やっぱりサイズが物足りない。

昼が近くなり、気温も上がってきた。僕は来た道を取って返して峠を戻り最初の水系へ戻った。
先行者の車があり入れなかった場所に近づいた。
(!!) なんと、車、しかも朝とは違う車が停まっていた。違う釣り人が入ったのか。あり得ないことはないが、ここに自分以外の車が停まっているのは今まで見たことはなかったのに。
七月も中旬を過ぎ、渓流はまとまった雨の後を狙う季節になってきた。欲を言えば早朝から始めたいが、家から1時間半はかかるこの辺りに6時台に着くにはかなり気合の入った時間に起きないと。
最初の先行者は姿が見えたから、到着は十数分差だったんだろう。
とにかく峠越えでロスする時間だけ、日が当たり気温が上がってくるまでの良い時間帯は短くなった。僕は峠を降りて川に着くと有望ポイントのみに狙いを絞った。
最初の場所で20cmちょいのヤマメ、実はここが最有力候補だった。
清冽でしっかりと水量のある流れ。
小さくても元気はつらつでした(*^^*)
水辺の岸で準備を完了し、チェアに座ってふうと息をつく。風が吹き抜けてなんとも気持ちいい。きっと今頃町は30度を超え、場所によっては真夏日どころか猛暑日になっているだろう。

食べてひと眠りした後、また戻ってみると車はなかった。ダメもとで川に降りてやってみたがやはり釣れない。
しかし水位は思ったほど高くなく、このポイントのベストの増水には10cmは足りない。どのみちこの日はここでは釣れなかったんだと、僕はそう思うことにした。



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熱々のカレー蕎麦。この後ご飯投入(^^;)
リールの上ですっかりリラッケロのケロロ先生(*^^*)。
ちっちゃい川で久しぶりのゴギさん。 
僕はなんとなく思っていたことが現実になったと思わざるを得なかった。
僕がこの場所にかなり頻繁に車を停めていたから、このポイントをほかの釣り人に知らしめる結果になったのではないかと。
道路沿いの広い場所、もろに目立つ。離れた場所に停めて歩いて入渓するくらいすべきだったが、後の祭りだ。

少し移動して昼飯の用意を始めた。このあとどうするかは腹ごしらえをしてから考えることにした。