2022 釣乃記
第弍拾話  猛暑からの脱出
週の途中でかなり雨が降った。仕事で川の様子がわかるエリアに行く釣り仲間からは、本流の増水具合の凄さを聞かされたが、そういう時こそよくなる川がある。

前回の釣りの時、増水でよくなるポイントに先行者の車があって、色々とすっきりしない釣りだったが、今回はそのポイントには行かず、別の川に向かった。
果たしてそこは、予想していた増水よりもかなり水位は低かった。いきなりこの日の釣りの苦戦の予感がしてきた。
渇水ではないだけまだまし。僕は夏のロッド、maekawacraft syowki 6'3"をつなぎ、黒いCDCフライを結んだ。フライは夕べ巻いた三本のうちの一本だ。川筋は湿気がこもり、偏光グラスが曇る。光量も少なくフライが見えづらいったらない。
しばらく釣り上がり、定期的にフライやティペットの結び目の引っ張りチェック。何度目かのチェックでぷっつり切れた。蜘蛛の巣もそこそこに多い。それにやられたか。
結び直してまた釣り上がる。時間が経つにつれ気温が上がり、僕は息が荒くなってきた。汗も止まらなくなってきて、ウェーダーも透湿が追いつかず、中がどんどん蒸れてくる。そして釣れない。かなりしんどい釣りになってきた。

八月になってからも猛暑は続いている。最高気温は35度前後で七月と同じくらいだが、最低気温が28度とこれは七月より3度くらい高い。熱帯夜で寝苦しい夜が続いている(実際には朝までエアコンはつけているので、眠れてはいる)
お久しぶりです! 道の駅ニャンコ先生っ!!。釣りに行ってきます!
Kさん夫婦が釣りに向かったあと、僕の熟睡タイムが始まりました(^^;)。



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最初の川の近くに標高差のある川がある。入渓ポイントに行くのに川沿いの道が一気に標高を下げ、谷底に降りていく感じの場所だ。
朝イチで誰か入っていそうだが、雷が鳴り出すまでだと、もうそこしかない。

谷底へ着いた時は昼が近くなっていた。深い谷だから日差しは届かず、朝の川より涼しい気がする。川に降りてキャストするとすぐに小さい魚が掛かったが外れてしまった。そのあとすぐ小アマゴ。
最初からここに来れば良かったんじゃないだろうか?
そもそもこの日はそんな猛烈な猛暑日が続く町の生活を忘れさせてくれる渓流の涼を求めてやってきたところもある。
釣りに有利な増水も渓流の涼も、すっかり当てが外れた格好だ。
蜘蛛の巣に切られ、夕べ巻いてきたフライは全部ロストした。ようやく釣れたアマゴはずいぶん小さかったが、魚体は綺麗だった。

釣り上がる予定の区間を過ぎ、道に上がった。さて、どうするか?この日のは午後から雷雲が発生する予報だった。
ピカピカのアマゴさん。来年は良い魚になってますね。
味噌ラーメンでカレーラーメン。不味くはないが、何か足りない(^^;)
ここの予定区間の最後、堰堤の所まできて、僕は道に上がった。急斜面を上がったので息が切れてまた汗びっしょりになった。
もう昼飯を食べて帰ろう。僕は少しでも標高の高い方が涼しいと考え、降りてきた道を戻った。
谷底に降り始める前にある路肩の広い場所で昼飯の準備をしていると、釣り仲間のKさん夫婦が通りかかった。
久しぶりに顔を合わせたのであれこれ話をした。その間は不思議なことに空腹も暑さもすっかり忘れていた。
日焼けし過ぎたケロロ先生(^^;)
濁りは全くなく、無色透明な水が流れていく。
元気はつらつチビアマゴさん。 
小さめの溜まりに投げたがフライが見えなくなった。
と、視界の隅に水紋が見えた気がして合わすと掛かった。
やった! と息巻いてラインを手繰るが、そこまで大きくはなさそうだ。それでも納得して帰ることができそうだと、ネットですくうと、いややっぱりそんな大きくはなかった。

空を見ると雷雲が沸く様子はまだなさそうだ。僕はそのまま釣り上がった。小ぶりだがアマゴが次々と元気よくフライを追った。