2023 釣乃記
第拾参話  最後の本流、その先のゴギ
朝まづめというにはちょっと遅いが、本流の目当ての場所についた。
去年はここでこの時期に朝、ニジマスを釣った。それを狙っている訳ではなくて、あくまで本流アマゴを釣るつもりだ。
例によって忘備録の本HPを見ると、その時はライズしていたとある。
今回はライズもハッチも見当たらない。それどころか、いまだに増水気味で、ポイントの筋がかなり波立っている。
今年はつくづく雨の増水にやられた感じだ。
G7サミットのための休みで前回釣りに行ってから二日後のこの日、間が空いてないから疲れがあるかもと近めの本流釣行にしたのだが、案の定まだ体がだるいままだ。そんな時に大場所の瀬を歩くのはなおさらつらい。最初の場所のライズはなく、瀬も早々にギブアップ。でお助けポイントに来た訳だ。
ここのさらにピンポイントで魚が付く場所もTさんから教えてもらっていた。そこを集中して狙う。一番良さそうな筋を流すが出てこない。何度かやって、ああダメかと思いつつ、波が強く立っている際を流すと白い魚体がスッと出た。合わすと掛かった。
Tさん、ここはやっぱりお助けポイントですね。

サミットが終わり日常が戻った。休みが増えた分は仕事の負荷も一時的に上がりバタバタする日々を過ごし、また週末がきた。なんとなく体が重たいような気がして、疲れがたまっているんだろうと思った。この週末は釣りはどうしようかとも思ったが、北部の近めの川が思い浮かんだ。あそこのゴギを釣るくらいならそんなにしんどくなかろう。行ってみるか。
五月下旬にもなると、本流の瀬も厳しさを増す。
期待以上の仕事をしてくれたHOTWAX ブラックのアント。
一投目で平均サイズのゴギが釣れた。一番良いところに落としたのに、君か〜。
そのあと粘って投げると、落ち込みの白泡横で出た。また平均。
う〜む、さすがにもういないか。そう思いつつ未練がましく落ち込み白泡のさらに奥へ投げた。
ズボッと魚体が出た。合わすと強く引き込まれ、狭い流れ出しを走り回られた。

やっぱり本流はもう終わりだろう。引きの強さに耐えながら僕はそんなことを考え、暴れるゴギをネットですくった。


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時間が過ぎて日が高くなると釣れなくなるので、ライズを待っていられない。
僕は増水のポイントへキャストした。しかし、アマゴはおろかオイカワやカワムツすらフライに反応することはなかった。
早々にそこを引き上げ、時間が経たないうちにと、瀬のポイントをやってみた。
そこも出ない。気持ち水位が低ければ良いような気もするんだが。
僕は釣り仲間のTさんに教えてもらった「お助けポイント」に向かうことにした。
ゴギさん、悪いけど粘って引きずり出させてもらいました(^^;)
本流とは対極のゴギ谿。されどワンポイント、ワンキャッチ。
インターチェンジを降りて30分も走ればその支流に着く。
急峻な斜面を流れる高低差のある小さな川だ。両岸は木々の枝葉がすっかり伸びていて、狭い川幅がもっと狭くなっている。
ゴギ狙いは今季2度目だが、本流をやっていた感覚からすると、空間の広さのギャップがまだうまく受け入れられていない気がする。
小さなポイントにアントフライを投げるとすぐにゴギが釣れた。この川の平均サイズ。
移動してキャスト、また出る。HOTWAXのアントは反応がすこぶる良い。
ゴギ谿。すっかり枝葉が伸びている。
どこもやんわりと水が多い。それが立ち込むとドシっとのしかかる。
本流はこの大ぶりなCDCフライが効く(*^^*)
この狭く急峻な支流を釣り上がりながら、僕は本流はこのあとどうだろうと考えた。
去年は夕まづめもやったりしたが今年はやっていない。前回の本流とこの日と、疲れの取れ具合が今ひとつ不充分な気がするからだ。
週間天気予報だと週明けから次の週末まで雨になっている。それを過ぎたらさすがに本流のシーズンは終わりだろう。

この川にしてはやや広めのポイント。上からの落ち込みからの流れ出しが広がる良い感じの場所だ。