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2023 釣乃記
第肆話 花より甘子と空腹
前々回、金曜日に有給休暇を取っての本流釣行。翌日はmGとライズ待ち。で、両日とも釣果なしという心折れる結果だった。
三月も下旬になり、本流はもう良くなっているだろう、とそう思いたい。 僕は懲りずにまた金曜日に有給休暇を取って本流に出かけてきた。釣り仲間の瀬がよかったとの情報を聞いて、そこへ行ってみた。 だが、聞いて行ってもたいてい遅いのだと、わかっていたのに忘れていて、今回の釣りでそのことを思い出した。 僕は我慢できずにフライを流してみることにした。上流側からのダウンクロスでドライフライを流す。良いレーンを通過しているが、出ない。本当に魚が居ないんじゃないのか?
さらにキャスト。出ない。有給休暇取ってまで来たのにライズ待ちを選んだのは間違いだったか? 僕は自分の気持ちが諦めムードになり始めたのを感じた。と、その時流れの筋の先でボショッと小さく水しぶきが上がった。 (ライズしたぁ〜っ!!)僕は付けたままの#18のCDC半沈みをキャスト。ライズ地点のあたり、ボショッと出た! 合わすとロッドの先、ラインの伸びる先で魚体がうねるのがわかった。(釣れた〜!!)僕は急いでラインを手繰り、ネットですくった。今季初の本流ライズを獲った。ちょっと小さいが、初ライズゲットだから。 でもやっぱりこのポイントにはほとんどアマゴは居ないような、その疑念は払拭できなかった。 翌日の土曜日、ちょっとまだ膝が痛かったので、この日は徹底してライズ待ちをした。 ヘリノックスのチェアを持ち込み万全の待ちの体制だったが、実はこれが良くなく、あまりに快適すぎて根が生えたように動けなくなり、途中ウトウトしたり。
市内より早く山間部の桜が満開。お花見の人たちも素早く反応(^^;)
雨上がりでちょっと寒々とした本流のTSさん。
割と早い流れの瀬が続く。なかなかフライをうまく流せない。
フライが僕の近くまで流れてきた時、バシャっと出た。近すぎる!ロッドをあおるとグンっ!!っと重さが伝わる。(掛かった!) Tさんからの電話で彼のいるプールに行くとライズしていた。しばらく狙うがなかなか掛からない。テクニカルなポイントだ。 ふと岸を見ると桜がほぼ満開だ。だがそれよりも僕もTSさんも昼飯がまだで、すっかり空腹なのにようやく気がついた。 瀬がダメだったのと、途中コケて膝を打った。それもあって、そのあとはライズ待ちに徹することにした。
本流のライズポイントのひとつに着き、ライズを待った。前々回のmGと待ったのと同じ場所だ。 ユスリカとガガンボがハッチしている。ガガンボは水中羽化で、流れの筋から飛び立っているのに、ライズしない。 小一時間待つが変化なし。なんだかこんな状況が続くと魚が居ないのではないかと思ってしまう。
堰堤下の難しいライズを狙うTさん。
2カ所のライズ待ち、およそ三時間、一度のライズもなかった。もちろん流してみたが反応なし。
大外しをやらかしてしまった。おまけに釣友のKK君が同じ水系の瀬で良い釣りをしたと聞き、内心穏やかで居られなくなった。 そして日曜日。僕は前日の夜にKK君の釣果のSNSへの投稿に色々なコメントのやりとりを見て、僕もコメントしているうち、釣友のTSさんが一緒に行ってみるかとの提案に乗った。KK君が釣ったエリアの別の場所を探るというプランだ。
ガガンボがコンスタントにハッチしてます。
今季初の本流ライズをなんとか(^^;)
スペントスピナー流下!?
目的の川に向かう途中、KK君の車を見つけたので行ってみるとKK君が始めるところだった。
情報交換をし、僕とTSさんはその上流を目指した。TSさんが気になっていたという区間。 そこへ向かう途中、今度は釣友のTさんと出くわした。TSさんが思っていたより下流側をやるという。 あまり水深がなく底石も多い。流れがやや早い瀬をやると、少ししてTSさんが釣った。アマゴだ。 居ることがわかって俄然やる気が出てきた。 僕が先行させてもらう。 |