2024 釣乃記
第拾弍話  梅雨のゴギとピーパラと佃煮
雨は降らない予報だが、鬱蒼とした薄暗さが谿を覆っていた。
木々の間から少しのぞいている空には晴れ間が見える。そのおかげでまだこれくらいの光量が届いているのか。
石に付いている平水の時の跡からすると、数センチは増水している。支流のゴギ釣りならこれくらいがいいと僕は思った。
すぐにKKくんが釣った。14,5センチ。この谿のアベレージのゴギだ。
どれくらい上流まで詰めるか、長丁場の釣りが始まった。
週の始めにT社Sさんのタイイングのライブ配信があった。そこでマラブーやピーコックハールを束ねてねじってボディに巻きつけるやり方が紹介されたいた。ねじったあと、束ねてスレッドと一緒に保持するのに専用のツールが必要だが、ハックルプライヤーで代用してなんとか巻いてみた。
ボリュームのある存在感たっぷりのボディができた。同じ本数のハールをただフックに巻きつけるよりもこちらのやり方がいい感じだ。僕はこのボディでパラシュートパターンを巻きためた。
それをSNSに投稿するとSさんからコメントがきて、お褒めの言葉をいただいた。こうなると俄然テレストリアルパターンを使った夏の渓流の釣りに気持ちが傾いてくる。KKくんもタイイングの動画を後から見てねじるボディのフライを巻いたと言っていたので、同じ気持ちだったのだろう。
ネジネジボディのピーパラ。ボリューム感がいい(*^^*)
Tさん、KKくん 入渓から車に戻るまで、7時間! お疲れ様でした。
時間が経つにつれ薄暗くなってきた。上空の雲が厚くなってきているのか。暗くて見えないから偏光グラスはせずに釣りを続けた。
前回最後に釣った場所を過ぎ、ゴギが登れるかどうかという落差の滝まできて終わることにした。

帰りの道の駅でTさんおすすめのフキの佃煮を買って帰った。日本酒の肴にピッタリだ。
翌日は釣具屋にねじりボディのツールを買いに行こうと思いながら、僕は佃煮を味わった。
一旦止んでいた雨が降り出した。また梅雨空が戻ってきた。
この週末、土曜日だけ雨の予報はなくなり、その前の木曜日にKKくんからゴギ釣りに行かないかと連絡が来た。
六月頭に行って以来渓流に行っていない僕はすぐに行こうと返事をした。Tさんにも声をかけ三人での週末のゴギ釣りが決まった。
8時過ぎに目当ての谿に到着、先行者はおらず、僕たちは勇んで入渓した。
梅雨の合間だけあって谿の空気は湿度が高いが、気温がそれほど高くないから汗にまみれる事もなく釣り上がれた。
フキの佃煮、お酒に合います。山椒の実は痺れるからさ(^^;)



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これは魚体の綺麗なゴギでした。
釣り上がり始めてあまり時間が経たないうちに、僕がネットの内径いっぱいのゴギを釣った。
引きの手応えがそんなになかったので、僕が一番驚いた。
交代しながら釣り上がる。アベレージサイズばかりだが、途切れない程度にゴギは反応してくれる。
そしてまた僕のフライに良い型のゴギが食いついた。タイミングなんだろうけど、僕の番の時に良いポイントが回ってくる。
それとやはりねじりボディのピーコックパラシュートのアピール効果が効いているのだと思った。
障害物ありのポイントでゴギを掛けたTさん。
開始早々の良型。いやが上にも期待は高まる。
久々のゴギ狙いのKKくん。  
この谿は五月にTさんと来ていたのだが、その時に合わせ切れで逃したゴギのポイントが現れた。
切れたフライの回収と銘打って、僕がこのポイントをやらせてもらう。しかし、何度流してもあのゴギは出てこなかった。
「きっと近くにはいますよ」とTさん。確かにそうなんだろうけど、どこに行きやがった。
この谿一番の大場所の滝の下。ここはKKくんが攻める。しかし増水で波が立ち、思うように攻め切れなかったのか、ここでゴギを手にすることはできなかった。