F.F.雑感
其ノ六百三十一  梅雨入りと黒の隊列
風は結構あり日差しはない。水面は細かく波立ち複雑に水中を隠している。
その波間に黒っぽい影。チヌがいる。あちこちに点在している。
去年かなりできるようになった、ダウンクロスでの流し込む釣り方を試す。距離感を確かめ、チヌの鼻先を通過するイメージでキャスト。
反応はない。もう一度。反応なし。いい所を流れていると思う。食うモードになってないのか。
フライを変えてみたが、それでもダメ。またしても苦戦の予感。
今年の梅雨入りは遅れている。6月中旬になってもまだ発表はなく、雨も少なかった。たまたま雨の週末もありその時はキビレを釣ったりしたのだが、降水量は少なかった。
それがこの週末からずっと雨の予報が続くようになって、週末がいよいよ梅雨入りになりそうな予報に変わった。渓流に行くならひと雨欲しい所だったが、土日が一番降る予報。その前の平日、大潮だしやはりフラットへチヌに行ってみるか、と思い有休を取った。そういえば今年のフラットは平日ばかり行っている。

梅雨の合間に良い感じの増水になっていそうなら渓流にも行きたい。6月の頭に行って以来ぱったりと行かなくなった。今年の渓流は良い型のゴギは釣りはしたが、それ以外は満足の釣りはあまりない。長く釣りをしていたらこういう年もあるだろうが、やっぱり物足りない気はしている。梅雨の雨の降り方次第で逆転の一匹を狙いたい。
使っているとラバーレッグはちぎれ、ボディのファイバーは抜けていく(T_T)
吸い込みからの食いつき突っ走りチヌさん(^0^)
手早く写真を撮ってリリース。すぐにテイリングにキャスト。すぐにコツコツ、掛かった。2連続。
まだテイリングは続いている。数回投げてまたアタリ。
去年もあったが、呆れるくらいの変わり様だ。下げ潮からやっていた時間はなんだったのか。そう考えていると、またきた。僕は考えるのは後にしてリールを巻いた。

週末、梅雨入りが発表され、土日どっぷりと雨が降ったし、この先当分雨予報だ。
渓流はまたしばらくお預けになってしまった。
終始曇りで風もあったが、魚影は見えていた。
まだ下げの流れがあるその筋に黒い影が並んでいる。このチヌたちはこのままここで満ち上がりを待つグループかもしれない。
ダウンクロスで隊列の際を流したが、反応なし。もう少し近づけて投げると散ってしまった。
さらに河口に向けて下るとまた影の隊列。これもどんなに投げても反応はなかった。何かを口にするモードではないのだろう。
だいぶ河口のブレイクラインに近づいた。時間的にはほぼ干潮。実際には潮は満ち上がりつつあるかもしれない。
随分と降ってます。読書(コミックス)が進みます(^^;)
大潮なので潮が下がるのが早い。みるみる砂の中洲が現れてきた。そして見えていた黒い影が見えなくなった。
潮と共に一気にくだったのか?僕は河口ブレイクラインに移動するべきだと判断した。去年は河口よりも上流側で良い釣りができたこともあったのだが、あれは大潮ではなかった。
こうなると広大な河口は厄介だ。ひたすら歩かなければならない。まだ膝下に水はあるから水の抵抗もしんどい。
しかし途中の流れでも魚影は見えた。
先程まで無反応だった黒の隊列のあたりが動いた。テイリング!
しかも同時に数カ所。急に活性が上がった。これが時合か。
テイリングの上流にキャスト。そのまま流すとコツコツっと甘噛みがあり、ロッドを引くと手応え。掛かった!
ラインを巻く、リールが逆転、また巻き取る。水面でチヌが暴れ水しぶきを上げる。
そのファイト中にも隊列はあまり散らずテイリングを繰り返す。なんて状況だ。こいつら、さっきまで全く無反応だったのに。
続けてキビレを釣っていたので、今季初のチヌさん(^^;)