F.F.雑感
其ノ六百二十九  早過ぎたフラットと雨の週末
(魚の居ない場所にただキャスティングしているのでは)と僕はにわかに不安になった。
引き波ももじりのよれも、ましてやテイリングも見えない。過去の経験でこの辺りに潜んでいる、という推測で投げているだけだ。
サイトフィッシングばかりをやるようになってから、すっかりブラインドの釣りはしなくなった。
しかし市内河川の河口の干潮前後が午後の場合、逆光でほぼ魚影は見えない。
たまにはブラインドでやってみてもいいか、と思って始めた。
干潮まであと少し。下げがダメなら満ち上がりに期待するしかない。それにしても魚の気配がないだけでなく、干潟がやたらハマる。水際に近づくほどずぶずぶとハマるので、少し手前からキャストするしかない。するとラインが水際から立ち位置の間の泥の上に落ちるし、その上をリトリーブで引っ張ることになる。おかげでラインもロッドのガイドも目の細かい泥にまみれてしまう。ハマった足も膝より下はドロドロで、これだけ汚れてまでやって反応なしだから、なんだかヤバい感じになってきた。
来るのが早過ぎたのか。しかも週末雨で釣りに行けないから近場の市内フラットでブラインドでちょちょっと釣ろうというのも、都合のいい考えだったかもしれない。
干潮になり、そして徐々に水際が上がり始めた。ところが変化はそれだけなのになんだか川全体の活性が上がってきているように思えた。鳥が水中にダイブし、小魚をくわえて飛び立った。何か変わってきている。
9ヶ月ぶりのフラット。6月の河口の水はまだ冷たかった。
巻きやすいサイズだから、タイイングは億劫ではない。
今回はブラインドだし大潮で潮の上げ下げがはっきりしているから、しっかり底を取るために、ラインはシンクティップを使った。
サイトなら着水で散らさないようにクリアのフローティングを使うのだが、今回はシンクティップだったのが良かったと思う。

これから気温が上がってフラットの釣りが盛期になれば、色んなフライやラインを駆使しての釣りが楽しめる。
でもその前に梅雨が来る。今も梅雨の前触れの雨が窓ガラスを濡らしていた。
カニさんに狙われるカニフライ(^^;)。
引き波っぽいのが見えた。ついに魚の気配を見つけた。
その先の進行方向へキャストしリトリーブ。しゃりしゃり音をさせながらラインを手繰る。
反応はなく二投目、引くとしゃりしゃりが停まり引っ掛かったような・・ぐんぐんっ!・・動いた!
ラインを巻き取るが、強い引きでリールが逆転する。水際はハマるのでネットですくえない。ファイトしつつハマらない所まで誘導しその間にも何度か走られ、また寄せてネットですくった。 九ヶ月ぶりのずっしりした重さだった。
もう〜、ドロドロ(>_<;)。
日曜日のお昼の冷やし中華を食べ終わる頃には、雨も上がりました(^^;)
少しづつ満ち上がってきた。 
大潮の下げ潮だから以前ならチヌの活性の高い時ければブラインドでも釣れていた。
立ち込むと水が冷たい。今年はなかなか海水温が上がらないらしいし、釣り仲間のTさんが何度かチヌ狙いで行っていたが、いつもの年のこの時期の感じではないと言っていた。
だからよっぽど暑くなってから行こうと思っていたが、この週末が雨の予報だったので、金曜日の仕事終わりにサッと行ける市内の河口フラットにやってきたのだ。
予報通り雨の週末になった。運にも助けられ前日にキビレを釣ったから、心置きなくごろごろできる。
キビレを釣ったのは去年Tさんから教えてもらったゼブラゾンカーというマテリアルを使ったフライでだった。
げんの良いフライだから巻き足そうと思ったが、ゾンカーの柔らかいファイバーをどうやって巻き止めたの忘れてしまった。
釣ったフライも去年巻いたのも、見てみたがわからない。我ながら器用に巻いたものだ。
当然今年初、尾鰭の黄色がおしゃれなキビレさん(^^;)