2025 釣乃記
第拾壱話  ゴギとミズとウルイの谷
スマホに保存した写真を見比べて、これはミズに間違いないと確信した。割とすぐに見つけられた。
場所がわかれば採るのは帰りでいい。僕は林道から川に降り、山菜探しからゴギ釣りにシフトすることにした。
本流から分かれる支流を数えると第四支流ということになる沢。いくらかゴギが釣れたら十分というつもりのこの日の釣りだった。
結んだテレストリアアルは、去年覚えたネジネジボディ。五月なら十分反応が期待できる。
前回のヤマメとコシアブラの両立のあと、GWにかなり食べ過ぎ感のある天ぷらだったが、コシアブラのほのかな苦味と天ぷらのサクッとした食感が忘れられずまた作って食べてしまった。
食べるという行為は食欲だけでなく、快楽が動機になっているとテレビでやっていた。山菜の天ぷらは後者に違いない。それは仕方ないとして(!?)、食べたら動くをやらないと蓄積しそうで気持ちが落ち着かない。
ということで、GW最終日に釣りに行くことにした。谷に入ってゴギを釣り歩いて燃焼しようという魂胆だ。それに加えて少し前に釣友のTさんに「○○の谷にはミズが生えている」と聞いていた。Tさんはミズは見かけていたがまだ食べたことはないらしい。僕もミズは未経験で食べてみたいと思った。天ぷらにしなければいいんだ。
今回は天ぷらを食べた後の運動が目的だから、釣りと山菜の二足のわらじになんの抵抗もない。アクティビティと、ゴギとミズがちょっと釣れて採れたらそれでいい。
久しぶりに見たラショウモンカズラ。群生してました。
ゴギ+山菜、そしてアクティビティ。いいバランスでした(*^^*)
近くにある別の谷の林道を歩くと呆気なくウルイが見つかった。慎重に特徴を見極め、間違いないと確信した。
帰ってレシピを検索し、ウルイは茹でて酢味噌で頂く。ミズもさっと茹でて塩昆布和えにしてみた。
ウルイは歯ごたえとぬめりがいい感じだ。
そしてミズをひと口食べてそのシャキシャキ感の素晴らしさに僕は唸った。
これはTさん達にも報告しなければ。でもそれはもっとミズとウルイを味わってからだ。
川に降りてゴギ釣り開始。しばらく反応はなかったが、ちょっと広い溜まりにフライを投じると、スッとフライが見えなくなった。
合わすとググッと引く。ラインを手繰り寄せ、ネットですくう。まずまずのゴギ。いいじゃない。
次のポイント、キャストするとすぐに来た。同じくらいのゴギ。そのさらに先に投げると、また。
三連続。これは思いがけなく予想外の快釣じゃないか。
ストレスのない釣りは気分がいい。僕はニンマリほくそ笑みながら、ゴギの写真を撮った。
ミズにウルイ、両方初です。まだまだ山菜は色々あるな〜(*^^*)



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ここまで細流は今年初かも。
この日の釣りの事前情報でTさんから聞いたのはミズの話だったが、もう一つウルイが採りたいというのは前から話に出ていた。
このウルイによく似た、同じ時期や場所に出るバイケイソウという野草がある。これが毒草で、食べたら場合によっては死に至る。
ウルイは採ってみたいが、自信を持って同定ができるかどうか。一応わかりやすく違いが書かれたサイトをスマホに保存して来た。

ちょっとしたゴルジェ帯の場所が現れた。
ミズにとまるカゲロウ。
いきなりこんなゴギが・・(*^^*)
問題のウルイ。これはウルイでした。  
ゴルジェの手前のゆるい流れでまず一匹。手早く寄せてリリース。その先、核心部であろうポイントにキャスト。全く素直にゴギが食いついた。
6'3"のロッドを曲げ、すぐには寄ってこない。岩の影に隠れようとするのをロッドでかわすように誘導するが、深みへと潜る力が強い。少し抵抗が弱まったのを逃さず寄せてネットですくった。

予定通り帰りにミズを収穫。車に戻りウェーダーを脱いだ。時間はまだある。あとはウルイか。