2025 釣乃記
第拾弍話  山菜求め、渓をいく
ミズの生えている場所は把握しているので、GWの釣りでいいゴギのいたポイントだけを狙った。
前回のストレスのない快釣とまではいかないが、数匹のゴギがフライに出てくれた。
(本流でも釣れていたら)と一瞬思っていると、ゆるい流れにポカっと浮いたフライに実にゆっくりとゴギが見にきてさらにゆっくりとフライをくわえ、僕もゆっくりと合わせた。
(こんないい出方をしてくれたから十分だ)と思いながら僕はロッドの曲がりを感じた。
GWが終わり本流の釣りも難しくなってくる五月、週の途中で雨が降り週末の本流は増水となった。GW最終日に僕がウルイとミズを収穫したので、それを再度収穫しようとTさんとTSさんと増水で釣りは断念の週末に出掛けることになった。
山は新緑の真っ盛り。緑のフィルターを透過した風と光が気持ちいい。
ミズの場所はわかっていたのですぐに収穫。そして僕は初の葉わさびも採った。割とよく見かけるイタドリも少量。
すんなり収穫でき、次に僕がウルイを採った場所に向かった。最初の場所と同様にこちらも支流沿いの林道を歩く。ウルイポイントではTさんが周辺でもいくつか見つけた。さすがに僕より見つけるのが早い。そしてここでもTさんがウドを。なんと、あるものなんだな〜。僕は感心しきり。
TSさんはわずかにイケるやつが残っていたタラの芽を採った。フライ回収棒が役に立っている。僕もなんとかウドを見つけたいと林道沿いを凝視していたら、目立つ場所に伸びたウドがあるではないか。そしてその周りに食べごろのやつがあった。
山菜三昧の晩酌。ありがたく頂かせていただきます(*^^*)



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アイコの塩昆布和えとウドの酢味噌和え。ウドのきんぴらは失敗 (^^;)
有休の日のあとの週末、僕は有休の時に収穫した山菜をふんだんに使って日本酒のアテにした。
釣れなかった本流ではノビルを見つけていた。Tさんたちとミズの谷に行った時に採った葉わさびは醤油漬けに、本流のノビルも球根を生姜醤油漬けに。
ミズの塩昆布と胡麻和え、ノビルの酢味噌和え、それらを少しづつ味わった。
僕自身、実際こんなにも山菜にハマるなんて想像もしなかった。そう思いながら僕はノビルの球根をガリっと音を立ててかじった。
鈴の音を響かせながら僕たちは林道を歩いた。これはキノコの時と同じシチュエーションだ。
ただ視線を向ける先は微妙に違った。今回は山菜が目的なだけに木の枝の先だとか、草むらの中だとか、今出ていそうな山菜の場所が着目点となる。
林道に入って早々、Tさんがウドを見つけた。これがウド。僕はしみじみと見つめ、頭に叩き込んだ。この日の目的の一つがウドだったからだ。
そして前回僕がミズを採った場所が見えてきた。
前回よりも上流へ。流れは源流の様相を呈してきていた。
どちらがついでか? 良いゴギが出てくれました。
その日の夜、早速ミズ、アイコとウドをそれぞれ塩昆布や酢味噌で和えて頂いた。
予想通りアイコは伸びすぎていたので固かったが、茹で時間を長めに調整すればおいしく頂けた。
ウドの白い部分は酢味噌で文句なくうまかった。青くなった部分はきんぴらにしたが、部位によっては筋張っていて固い。良い所だけを使うのがいい。
ミズ以外はいずれも初の山菜ばかりで、釣りをせず山菜のみを採りに行った(これも初)甲斐があったというものだ。
ペンネとイタドリのパスタ。混ざると見分けが・・(^^;)
新緑が眩しい。新たな木々の伊吹が押し寄せてくる。
初のウド。こういう感じか。 
釣りなし山菜採りの数日後、僕は有休を取った。時期的に終盤に差し掛かった本流をどうしてももう一度やっておきたかった。
結果はまだ少し水位が高く、それでも何ヶ所かできたのだが、ヤマメのポイントはカワムツに取って代わられていた。
僕は水系を移動して、Tさんたちとミズを採った沢に向かった。
本流が釣れなかったのに未練がましく粘ったりせずスパッと切り上げられたのは、この沢でゴギを釣りミズを採ろうという魂胆があったからだ。
「アイコだっ!」とTさんの声がした。「ついにあったかー」とTSさん。
二人がずっと探していた山菜のようだ。僕は名前は知っていたが当然初めて見る。
葉や茎にトゲがあり刺さると痛い。しかし新芽はかなりおいしいらしいのだが、残念ながらだいぶ伸びていた。
それでも僕らにとって初山菜なので収穫した。
結果的に最初の場所と合わせて種類も量も盛りだくさんの山菜採りになった。
初の葉わさび醤油漬け。うまいこと漬かったか〜?(^o^;)