2025 釣乃記
第肆話  いい加減、春よ来い
釣友のKK君が平日に有休を取って釣りに行って、本流で釣果をあげたようだ。
決していい天候ではなかったのによく行ってよく釣ったものだ。
雪代に悩まされた今年の解禁後の釣りだが、ようやく雪代の心配はなくなった。KK君も川の水位をネットでチェックして有休釣行を敢行したようだ。
この週末、僕はどうしようかと思っていたが、KK君の情報で本流に行ってみる気持ちが固まった。
懸念事項は、週の半ばにまとまった雨が降っていたことだ。
前回運よくふきのとうを収穫できた。ならば今回はタラの芽だ、と僕は内心企んでいた。
前回釣れなかったけれど、ふきのとうを採れたことがだいぶ救いになったし、キノコ採りを始めた流れで行けば当然山菜も視野に入ってくる。ふきのとう以外にコシアブラは数年前から採っていたが、ほかの山菜はほぼ採ったことがない。食べる楽しみはもちろんだが、キノコと同様に収穫の満足感もかなりある。
釣り仲間のTさんが早速タラの芽を採ってきていた。天ぷらのうまそうな写真が投稿され、大いに刺激されている。キノコ同様収穫仲間がいることで、情報交換もするからさらに盛り上がるというものだ。
キノコとの違いは、山菜は釣りシーズンとかぶるので、釣りと山菜採りを同じ日にやるということだ。そうなると生えている場所を知っていて赴くようにしないと時間的にはむつかしい。なにしろ釣りがメインであるのだから、なかなか釣れなかったらそちらにかなりの時間を持って行かれて、山菜を採る時間が少なくなったり断念せざるを得なかったりしそうだ。
コブシだろうか、山肌にたくさん咲いて山の見た目を変えている。
派手な出方だったが、ネットですくうほどではなかった(>▽<;)
少し進み、ゆるい流れで出て掛かったがバレた。その先でもまたバラし。まだ水面の捕食が完全ではないが、反応が出だした。
しかし時間の経過とともに冷え込んできて、そろそろ終わろうかと思った時、タラの芽を見つけるつもりだったのを思い出した。釣りをしながらだとこんなものか。

帰りの道中、行きでは蕾だった桜が少し開いていた。
来週は暖かくなってくれるんだろうな? 僕は誰に言うでもなくそうつぶやいた。


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川に着くと思ったほどの増水には見えず、僕は支度をして川に降りた。
風は冷たく日差しも弱く、そして目の前で見た川はやっぱり増水していた。
釣りができないほどではないが、水も冷たくそれで増水なら、ヤマメがドライフライに出てくれそうな気がしない。
それでも僕はゆるそうな流れを選んでフライを投げつつ、目当ての支流との合流点を目指した。
しかし合流点こそ流れが激しくなっていて、手が出せなかった。
CX-3くん、まだ二分咲きと行ったところでしょうか(^^;)
梅は咲いてます。桜はまだです(^o^;)
本流二箇所目はそこまで流れは荒れておらず、十分釣りになった。カゲロウの飛翔も見られ、これで魚が居さえすればというところだが、反応はなかった。

三箇所目、見覚えのある車が停まっていた。KK君の車だ。彼の平日有休で釣果があったポイントなので、おそらくいるだろうと思って来たが案の定いた。
KK君と合流し一緒に釣り上がるが、ほどなくして日差しは隠れ風が吹き冷たい雨が降り始めた。
春の気配はどこからも消えた。
一輪だけ咲いてました。
もぐもぐタイムはサッポロみそ。四釣行連続でラーメン作っております(^^;)
はち切れんばかりに膨らんだ桜の蕾。  
所用があり帰るKK君と別れ、僕は支流へ向かった。本流の風や寒さにすっかり体が冷え、昼飯をとった後は本流に戻る気にはなれなかった。
支流も水は多めだが釣りは十分できる。それに今まで意識しなかったタラの芽を探しながら、という目論見もある。
小さな溜まりで一度ドライフライに出たが掛からない。フライを乾かしながら少し時間を置いて、またキャスト。
出た! 今度は掛かった。解禁後やっといい感じの出方だった。